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はじめに:労務管理と比較して人事制度経験者の採用はなぜ難しいのか?
「人を見るプロ」である人事担当者自身の採用は、候補者への選球眼が厳しくなる傾向にあり、難易度が高い領域です。特に近年は、労働人口の減少や人的資本経営の推進により、優秀な人事制度経験者の市場価値は高騰し続けています。
本記事では、管理部門特化のエージェントであるMS-Japanの最新データをもとに、2025年における人事制度経験者の採用難易度と、ミスマッチを防ぐためのスキル要件定義、エリア別の適正年収相場を、人事の基礎的なキャリアと言える労務管理と比較して解説していきます。
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人事制度経験者に求められるスキル要件と定義
人事の中でも、人事制度経験のある人材の採用は、企業のコンプライアンス遵守と効率的な人事管理を実現する上で欠かせない要素です。また、企業のフェーズや経営戦略によって、求められるスキルセットは大きく異なります。
まず、人事制度経験の前提となる労務管理について整理します。労務管理には、勤怠管理、給与計算、社会保険の手続きなどが含まれます。人事制度経験者を採用する際も、求める人材像を明確にするために、採用対象者がこれまでどのような体制や業務フローの企業で経験を積んでいるのかを想定して、採用要件を定義することが不可欠です。
【労務スキルを定義する際のポイント】
・アウトソース活用状況: 社労士などに委託か、内製か。
・対象規模: 何名分の給与計算を、何名体制で行っていたか。
・使用システム:どのような労務管理システムを使用していたか。
また、人事制度の経験は、一般的に30代後半以降で、ある程度の職責についている方が経験していることが多い傾向があります。また、一口に人事制度といっても、企業の事業フェーズによって、内容は大きく異なります。 例えば、スタートアップやアーリーフェーズの企業では人事制度の「構築」経験を、既に確立された組織では制度の「改定」や「運用」経験を求めることが一般的です。
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人事制度経験者の適正年収とスキルの関係
人事制度関連を目的とした採用において、即戦力性のある経験者の採用は売り手市場です。 人事制度経験者は、採用や労務経験者に比べて母数が少なく、競合他社との獲得競争が激化しています。採用成功にはスキルや経験に合わせた適正年収の設定が必要不可欠です。地域ごとに解説します。
関東エリア:人事(労務・制度)の年収相場
経験年数~職位別でみた年収相場は下記のとおりです。
| 経験年数 | 未経験~ポテンシャル | 経験3年~5年 | 経験5年以上~ (リーダー~マネージャークラス) |
人事部長~人事責任者 |
|---|---|---|---|---|
| 年収 | 400万円~500万円 | 450万円~650万円 | 600万円~900万円 | 900万円~1200万円 |
・年収450万円~650万円の採用対象は、勤怠管理・給与計算・社会保険手続き等の労務オペレーションのみの経験者が想定されます。
・労務管理に加えて人事制度等その他の人事経験を求める場合は、年収相場は600~900万円程度を想定する必要があります。具体的には、人事制度や人事企画、労務訴訟・紛争対応、IPOやPMI等の特殊業務、マネジメント経験、総務を含めた広範囲の業務経験などを求める際は、年収水準を引き上げる必要があります。
・社労士資格は、歓迎要件となるものの、必ずしも年収アップに直結しない傾向があります。社労士事務所経験者など、労務業務が内製の企業やシェアード・アウトソーシング企業からはスタッフ層でニーズが高い傾向です。
(求人票記載の例)
・ポジションの説明
・現行の人事制度の運用状況について
・人事部としてとりかかっている問題について
・入社後すぐに関わる制度はどのような制度なのか 等
関西エリア:人事(労務・制度)の年収相場
経験年数~職位別でみた年収相場は下記のとおりです。
| 経験年数 | 未経験~ポテンシャル | 経験3年~5年 | 経験5年以上~ (リーダー~マネージャークラス) |
人事部長~人事責任者 |
|---|---|---|---|---|
| 年収 | 300万円~500万円 | 450万円~650万円 | 500万円~800万円 | 700万円~1000万円 |
・勤怠管理・給与計算・社会保険手続き等の労務のみの経験者については、中小企業等は400万円~600万円程度、上場企業等の大手については450万円~650万円程度が相場です。
・経験5年以上で、労務に加えてその他の人事業務を経験している人材は、中小企業では500万円~700万円、大手企業を含めると上限が800万円程度となるイメージです。管理職位となると、700~800万円程度を想定される求人依頼が多くなりますが、大手有名企業を中心に、人事部長の求人はそもそも求人として出ないケースも多いです。
・近年は法改正が頻繁にあるため、キャッチアップが出来る方という観点で大手企業を中心に社会保険労務士資格の引き合いは強くなっています。
MS-Japan 大阪支社
リクルーティングアドバイザー
関谷 勇志朗
人事(労務・制度系)を採用したい企業へアドバイス(関西・東海エリア)
労務の実務経験者は、女性の登録者が多い傾向があります。特に30代は出産・育児のライフイベントが多い30代については、ワークライフバランスを優先して転職を経験している方が増えています。募集要件において、スキル面を十分に満たしているようであれば、経験社数や年齢、働き方を広く検討するなど、柔軟に対応できると良いでしょう。仕事と家庭をうまく両立している既存社員の例など、具体的に求人票に記載する事もおすすめです。リモートワークやフレックス制度が既にあるようであればアピールポイントとして併せて記載しましょう。
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人事制度経験者を採用するための戦略プロセス
採用を担当する人事にとって、経営層や人事責任者と連携をして、企業の方向性、代表を含めた経営層の考えや思想、そして現時点での課題の解像度を高めることが求められます。そのため、会社の規模や事業フェーズによって、異なる採用戦略をとることが必要です。
中小・ベンチャー企業の採用戦略
中小企業やベンチャー企業では、経営層とのコミュニケーションが比較的容易であるため、社長のビジョンや具体的な事業目標に直接耳を傾ける機会に恵まれています。 直接経営層から会社の現状と将来どのような会社にしたいという理想をヒアリングし、現状と理想とのギャップ、現時点での課題を明確にしましょう。
ギャップを解決する為にはどのような組織にするべきか、その為にどのような人材や人事制度が必要か、採用課題をすり合わせましょう。例えば、課題解決のために人事制度が必要となる場合、構築・改定のそれぞれの目的と、実施後に見据えている最終目標を予め明確にし、求人票に反映させます。
大手・エンタープライズ企業の採用戦略
大企業では、組織が大きく複雑であるため、異なる部門やチームからの情報を統合し、一貫した採用戦略を策定することが重要です。すでに確立された人事制度を元にしながらも、安定した事業運営を実現するために人事制度を継続的に更新する必要があります。特に研修制度やシニア人材や女性の活用、働き方改革など多様性の推進といった施策が求められます。これらに伴い、同規模の企業での実績を持つ経験豊富な人材が必要とされるケースが多いです。
求人票への反映と構造化面接、採用戦略の定期見直し
ヒアリングした内容は、求人票に詳細に落とし込むことが重要です。「会社の方向性」「経営層の考えや思想」「現時点での課題」を分かりやすく記載することで、候補者は企業の文化や目指す方向性を正確に理解し、自らのスキルや価値観が企業にマッチするかを判断できます。
他社はどう採用している?人事制度経験者の採用成功事例
売り手市場の中、人事制度経験者の採用に成功した企業の具体的な事例を紹介します。
MS-Japan 東京本社
リクルーティングアドバイザー
森田 結衣
【採用成功事例】現状課題と入社後のミッションを明確にし、30代男性を採用成功!
プライム上場企業のメーカー様は、歴史があり安定つつも、持株化したばかりで、服装自由化やフレックス等、新しい取り組みを推進されているフェーズでした。
当初候補者の方は、年功序列のイメージが先行され、志望度は決して高くはありませんでした。選考が進むうえで、社外からのノウハウを取り入れるために中途採用を積極的にされている背景や、若手の意見が反映されやすいという風土面を次第に理解され、志望度が高まっていきました。
人事担当者様が現行の「うまくいっていない課題」と、逆に「うまく改善できていること」も整理して正直にお伝えになられたことで、企業が抱える課題と入社後のミッションが明確になり、採用成功につながった事例となりました!
MS-Japan 大阪支社
リクルーティングアドバイザー
関谷 勇志朗
【採用成功事例】経営層とのパイプ役に、30代女性の社会保険労務士を採用!
大手企業のシェアード企業様から、グループ全体の人事制度を整えるべく人材を採用したいとご依頼いただきました。
一方で、上記ミッションから、今後経営層と調整ができるような労務知識や法改正のトピックスに明るい方を採用したいというご要望があり、社労士資格をお持ちの30代女性をご提案。既に企業にて労務、人事制度のご経験がおありな方で、採用へとつながりました!
社労士資格は会計士や弁護士などの他士業資格と比べて、資格有無により年収相場が変らないケースが多く、一度ご検討頂いてもよいかもしれません。
人事制度経験者を採用する際に陥りやすい課題と解決策
実際に人事制度経験者を採用する企業が陥りやすい課題をリクルーティングアドバイザーが解説します。
MS-Japan 東京本社
リクルーティングアドバイザー
森田 結衣
人事制度経験者には適切な年収設定を
よく、400万円~600万円の年収帯で、給与社保等の労務オペレーションに人事制度の経験者を採用したいというご要望を伺いますが、労務オペレーションのみの経験者が450万円~650万円の年収帯に該当するため、採用に苦戦するケースが多いです。人事制度経験者は母数が少ない点に加えて、500万円~800万円位が年収相場となります。提示年収の上限が~600万円だと相場と折り合わず、応募獲得自体が難しくなります。
20代~30代で人事制度を少しでも経験したことがある方で、ゆくゆくのマネージャー候補で採用したいというケースは多くありますが、現行の給与制度と年齢の兼ね合いで相場から年収帯が低く設定されてしまっている事が多いです。年収帯をあげるか、ターゲットの年齢層を広く検討、もしくは人事制度経験のない若手を採用するなど、優先順位を明確にした上で要件を柔軟に広げることが採用への近道です。
MS-Japan 大阪支社
リクルーティングアドバイザー
関谷 勇志朗
売り手市場において選考スピードは引き続き再重視
人事制度のプロフェッショナル採用ですが、経験者がそもそも少ない為、採用難易度は高いです。
一方で、大手企業を中心に人事制度経験者の募集は増加しており、バッティングもしやすい状況です。コロナ後にテレワーク等を見直し、時代の変化とともに人事制度を変えたいというニーズが増加したことが背景となります。これまで人事制度改定の実績がなく、社内ノウハウがないので採用したい、というご依頼も増えています。
社労士採用や、制度運用経験のみでもよいので、少しでも人事制度に携わったことがある方など、要件を広げることが大切となります。
いずれも労務のみの人材に比べて、人事制度経験者の採用が難しい事が分かります。転職市況に合わせた適切な年収の設定と、採用課題に合わせた柔軟な要件の再検討が採用成功につながります。
まとめ:優秀な人事制度経験者を採用するために
人事の中でも、とりわけ人事制度経験者の採用は、企業の現状と目指すべき姿を理解し、それに適した人材を見極めることが重要です。特に、企業の方向性、経営層の思想、現在の課題を詳細にヒアリングし、これらを求人票に反映させることが、候補者を惹きつけるためには不可欠です。
自社だけで市場相場を把握し、要件定義を行うには限界があります。「求人を出しても応募が来ない」「面接設定に時間がかかる」とお悩みであれば、管理部門特化のエージェント活用をご検討ください。
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この記事を監修したリクルーティングアドバイザー
森田 結衣
大学卒業後、インテリア販売の営業職を経てMS-Japanに中途入社。東京本社にて一貫してリクルーティングアドバイザーとして法人営業に従事。
主に上場企業や大手グループ企業等のエンタープライズ企業を中心に担当。求職者に次の会社への目標・目的を明確にして意思決定いただけるよう、導いていくことを心がけている。
関谷 勇志朗
人材営業、メーカー営業を経てMS-Japanに入社。大阪支社にてクルーティングアドバイザーとして法人営業に従事。
主に大手エンタープライズ系から非上場企業まで広く企業への支援実績がある。
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お電話での
お問い合わせ- 東京本社
03-3239-7373
- 名古屋支社
052-551-1125
- 大阪支社
06-6292-5838
MS-Japan 東京本社
リクルーティングアドバイザー 森田 結衣
人事(労務・制度系)を採用したい企業へアドバイス(関東エリア)
労務に加えて人事制度関連の業務をお任せしたいという求人依頼をいただくことがありますが、業務範囲が広いため、何の経験を重視しているのか分かりづらい求人が散見されます。労務(給与計算・社会保険手続き等)等の毎月のルーティン業務と、人事制度の業務比率がどれぐらいになるのか、求人票に明記すべきです。
特に人事制度関連の業務はできるだけ分解しましょう。人事制度業務といっても企業によって多種多様です。
人事制度の運用を行うのか、改定を行うのか、新たに設計するのかで、担うべき役割や負荷が異なります。また、可能な範囲で、現行制度や制度改定の背景を補足しておくと、候補者の理解度が高まります。求人票への記載ができない内容でも、エージェントに共有しておくことで、候補者に補足説明を促すことができ、他求人との差別化を図ることができます。