2025年10月03日

税理士試験科目免除制度とは?メリット・デメリットや廃止の可能性を解説

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税理士試験は会計科目2科目と税法9科目で構成され、税理士になるには会計科目は2科目とも、税法科目は9科目中3科目の合格が必要です。
しかし、これはあくまで本ルートであり、条件を満たせば一部試験の免除を受けることができます。
近年、受験負担を軽減できることから、免除制度を利用して税理士を目指す人が増えています。

本記事では、税理士試験の科目免除の条件やメリット・デメリット、廃止の可能性について詳しく解説します。

免除制度の利用者が増えている

従来は科目合格を重ねて税理士登録する方法が一般的でしたが、近年は免除制度の利用者が増加傾向にあります。
要因の一つとして、近年の税理士試験の難易度が上がっていることが挙げられます。

地道に挑戦を続けるより、免除制度を利用して早く資格を取得し、実務経験を積む方が合理的だと考える人が増えています。
また、大学側が学生確保のために、税理士を目指しやすい専門コースを設けるケースが増えていることも、免除制度の利用者が増加している背景といえます。

かつての制度では、所定の単位を取得し大学院の修士号を得れば、無試験で税理士資格を取得できました。
そのため、業界内では「免除者=勉強・努力不足」という印象が強く、試験免除者を嫌う傾向もありました。

しかし、現在では制度が見直され、最低でも2科目以上の試験合格が必要となっています。
この改正により、免除制度を利用しても一定の努力が不可欠となり、以前のような免除者への風当たりは薄れました。
これが免除制度を利用しやすくする風潮を強め、利用者増につながったと考えられます。

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税法科目の免除の条件とは?

試験科目の免除の条件は次の3つです。

学位授与の研究による試験の免除

税法科目、会計科目のそれぞれで1科目以上の合格をした一部合格者のうち、大学院で自身の修士の学位取得に関する研究について国税審議会の認定を受けた場合に、税法科目であれば残り2科目、会計科目であれば残りの1科目にも合格したことになります。
※2002年4月の税理士法の改定がありました。
改正前は会計学に属する科目または税法に属する科目のどちらか一方の1科目を合格すれば、試験科目の免除の申請ができていましたが、改正後は両科目で1科目ずつ合格しなければならなくなりました。

一方で、「法律学または財政学の研究科にて学位(修士号)を取得した者」と定められていた部分は、「税法に属する科目(その他財務省令で定めるもの)にて学位(修士号)を取得した者」と変更され、出身の研究科の縛りがなくなりました。
これによって、理系出身者にも試験科目免除の道が開かれたことになります。

特定資格による試験の免除

弁護士公認会計士は、全ての試験科目が免除されます。

国税従事による試験の免除

10年または15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法系の科目が免除されます。
23年または28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計系の科目が免除されます。

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科目免除の3つのメリット

1.期間を短縮できる

税理士試験の各科目の合格率はおおむね10~20%程度と低いため、1年で1科目に合格できても、翌年に2科目合格を狙うのは非常に難易度が高い目標です。

試験科目の免除があれば、大学院に2年通ったとしても一度に2科目以上を突破できるので、税理士試験に合格するまで何年もかかるかもしれないという先の見えない不安から解放されます。

2.試験勉強の負担が減る

税理士試験は科目数が多く、最低でも2年間はしっかり勉強する必要があります。
しかし、大学院で会計学に属する科目、税法に属する科目のそれぞれ1科目ずつ合格すれば、試験科目の免除の申請ができ、試験勉強の負担はぐっと減ります。

3.社会人でも働きながら夜間制や通信制の大学院に通学できる

科目免除は、社会人が税理士を目指す上で非常に有用な制度です。
夜間制や通信制の大学院があるため、自身のスケジュールやライフスタイルに合わせて、働きながら資格取得を目指すことができます。

また、大学院の学位取得は専門性を高めるだけでなく、キャリアの幅を広げる可能性もあります。

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科目免除の3つのデメリット

1.大学院に進学したからといって試験科目が免除されるわけではない

試験科目の免除を目的に大学院へ進学しても、国税審議会の認定が下りなければ免除は受けられません。

2. 実力不足のまま税理士になるリスクがある

試験を経て合格した人と比べ、実力差が業務上で表面化する可能性があります。
ただし、この点は本人の努力次第で補うことが可能です。

3.大学院進学にはコストがかかる

大学院進学には多額の費用がかかります。
科目免除を目的とする場合、独学で合格する場合に比べてコスト面での負担が大きい点を覚悟しておく必要があります。

科目免除制度が廃止される可能性は?

科目免除制度の廃止については、現時点では未定です。
これは、国税庁が過去に試験科目の免除制度を見直してきた経緯からも分かります。

過去の制度見直しでは、受験資格の要件が緩和される一方で、試験科目免除制度の対象となる学問領域が限定されました。
これにより、専門知識を持つ人が税理士として活躍する道は広がりましたが、免除制度そのものを廃止する議論は行われていません。
そのため、現時点で廃止の予定はないと考えられます。

以上のことから、現状では「大学院の学位による科目免除」が廃止される可能性は低いといえるでしょう。
もっとも、税理士試験や関連制度は定期的に見直しが行われるため、今後の法改正によって状況が変わる可能性もあります。
最新情報を継続的に確認しておくことが重要です。

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まとめ

税理士試験は難関ですので、勉強にかかる時間・負担を減らすためには、免除制度を利用するのが有効です。
免除を受ける方法には、資格による免除、学位取得による免除、国税従事による免除の3種類があります。

ただし、免除科目については試験合格に向けた勉強をしていないので、その科目に合格した人に比べると法知識が浅くなることも多いです。
苦手意識を持たないように、しっかりと自分なりに学習しておくことが望まれます。

  • #税理士試験
  • #科目合格
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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