2026年01月26日

人事に役立つ資格一覧|採用・人材育成・労務の実務で評価されるおすすめ資格

採用・人材育成・労務など業務領域が広がる中で、知識を体系的に整理し、自身の経験を客観的に示す手段として資格が活きる場面があります。
特に人事経験者にとっては、これまでの実務を補強し、専門性や対応領域を明確にする材料として評価されることも少なくありません。

本記事では、人事の実務に役立つ資格を領域別に整理して紹介します。

人事の仕事に資格は必要?取得するメリット

人事において資格は必須条件ではないものの、実務を進める中で役立つ場面もあります。
ここでは、資格取得がどのようなメリットをもたらすのかを整理します。

実務での専門性が上がり、業務の幅が広がる

資格取得を通じて、人事業務に関する知識を体系的に学ぶことで、日常業務の理解が深まります。
採用や育成、労務管理といった各分野において、背景となる考え方や制度の全体像を把握できるようになるため、業務の質向上対応力の強化につながります。

また、実務経験に資格で得た知識を掛け合わせることで、より幅広い業務に携わることも可能です。

社内外で評価が上がる

人事は、経営層・現場社員・外部関係者など、多くの立場の人と関わる職種です。
資格を通じて得た知識は、共通言語として機能し、説明や提案の説得力を高める役割を果たします。

担当業務を単に遂行するだけでなく、改善提案や企画の視点を持っていることを示す材料としても活用できます。

転職に役立つ場合がある

転職市場においても、資格は必須条件ではないものの、人事を志望する理由強みを補足する要素として活用できます。

企業にとって魅力的な人材として評価されたいと考えている場合は、資格取得が有効な選択肢の一つとなることがあります。

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採用実務の基礎力を高めたい人におすすめの資格

採用業務は、応募者対応や面接調整といった実務に加え、採用計画や要件設計など、戦略的な視点も求められます。
以下は、採用業務に携わる人事担当者にとって実務との親和性が高い資格です。

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSは、ExcelWordなどのMicrosoft Office製品の操作スキルを証明する資格です。
国家資格ではありませんが、実務との親和性が高く、人事業務における基本的なITスキルを客観的に示す手段として活用されています。

採用業務では、応募者管理表の作成や進捗管理、データ集計などでExcelを使用する場面が多くあります。
MOSを通じて操作スキルを体系的に整理することで、業務効率の向上やミスの防止につながり、採用実務を支える基礎スキルとして評価されることがあります。

難易度は比較的基礎的で、日常的にMicrosoft Office製品を使用している人事担当者であれば、実務経験を活かして取り組みやすい資格といえます。
合格率は公式には公表されていませんが、一般的には基礎的な操作理解が問われる試験として知られています。

試験は随時実施されているため、自身のスケジュールに合わせて受験しやすい点も特徴です。

参考:MOS公式サイト|オデッセイ


なお、採用計画や人材要件の考え方を体系的に整理したい場合には、ビジネス・キャリア検定(人事・人材開発)のように、育成や制度設計を主軸としつつ採用にも通じる知識を扱う資格を参考にすることもあります。

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人材育成・キャリア支援領域で活躍したい人におすすめの資格

人材育成やキャリア支援は、人事業務の中でも中長期的な視点が求められる領域です。
社員の成長や定着を支援する立場として、専門的な知識や考え方を整理する手段として資格が活用されることがあります。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタント試験は、職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣の登録を受けた登録試験機関が実施する国家資格です。

キャリアコンサルタント資格の取得を通じて得た知識を活かして、従業員の課題を引き出し、その原因を正確に把握し、適切なアドバイス・提案ができるようになります。

また、面談・面接だけではなく、キャリア研修職務能力研修などにも活用可能です。
その他にも、ダイバーシティ推進支援やハラスメント防止、メンタルヘルス支援など、人事に関連するさまざまな場面で活かすことができます。

学科と実技の試験に合格し、名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」を名乗ることが可能です。
合格率は試験回によって異なりますが、おおむね5~6割前後で推移しています。知識に加え、対話力や支援姿勢が評価される点が特徴です。

参考:
国家資格 キャリアコンサルタント試験|日本キャリア開発協会
試験結果|日本キャリア開発協会

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、職場におけるメンタルヘルスや人間関係の課題に対応するための知識とカウンセリングスキルを学ぶ民間資格です。

従業員との面談、職場のメンタルヘルス対策、キャリアカウンセリングなどで活用できます。
従業員の心理を理解し、適切なサポートを提供することで、職場の生産性向上離職率低下に寄与します。

資格取得には養成講座の受講が必要で、理論と実践の両面から段階的に学習が進められます。
体系的なカリキュラムに基づいて学習できる点が特徴です。

参考:産業カウンセラー試験|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

ビジネス・キャリア検定(人事・人材開発)

ビジネス・キャリア検定は、職務分野ごとの専門知識や実務理解を体系的に評価する検定制度です。
人事・人材開発分野では、人材育成、評価制度、配置、等級制度などが幅広く扱われます。

受験級によって難易度は異なり、基礎的な内容から管理職層向けのレベルまで段階的に設定されています。
学習範囲が明確で、人事実務経験者が知識整理の目的で受験するケースも見られます。

参考:ビジネス・キャリア検定|中央職業能力開発協会

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労務領域の専門性を高めたい人におすすめの資格

労務は、法令遵守や職場環境整備など、人事業務の基盤となる領域です。専門性が求められる場面も多く、資格が比較的評価されやすい分野でもあります。

社会保険労務士

社会保険労務士は、労働・社会保険の問題や年金の手続き、労務管理についての相談・指導の専門家としての知識・スキルを証明できる国家資格です。
労務トラブル対応、制度設計、法改正対応、コンプライアンス体制の構築など、専門性が強く求められる場面で評価されます。
必ずしも資格保有が前提となるわけではありませんが、労務分野に強みを持つことを明確に示す材料となります。

合格率は、例年おおむね6~7%前後と低水準で推移しています。
そのため、資格取得には長期的な学習計画が必要となり、業務と並行して取得を目指す場合は、目的やキャリアとの整合性を慎重に検討することが重要です。

参考:
社会保険労務士試験オフィシャルサイト|全国社会保険労務士会連合会試験センター
過去10年の推移と合格者の年齢階層別・職業別・男女別割合|全国社会保険労務士会連合会試験センター

衛生管理者

衛生管理者は、労働安全衛生法において労働者の健康と安全を守る目的で定められた国家資格です。
50人以上の労働者が働く事業場では、少なくとも1人以上の衛生管理者を選任する必要があります。

衛生管理者の資格を保有していることで、安全衛生体制の運用産業医・現場との連携をスムーズに進めやすくなります。
特に、製造業や現場部門を抱える企業では、実務上の必要性から評価されるケースもあります。

試験では、労働災害防止、健康管理、作業環境管理など、現場に直結する内容が出題されます。
合格率は回によって差はあるものの、おおむね4~5割程度で推移しています。

参考:
第一種・第二種衛生管理者の紹介|公益財団法人 安全衛生技術試験協会
統計|公益財団法人 安全衛生技術試験協会

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場におけるメンタルヘルス対策の基礎から応用までを体系的に学べる検定です。
人事労務管理スタッフ・経営幹部向け管理職向け実務担当者向けの3つの区分が設けられており、担当業務に応じて選択できます。

合格率は区分によって異なりますが、人事労務管理スタッフ・経営幹部向けである第Ⅰ種の合格率はおおむね2割前後で推移しています。
法令知識に加え、ストレス要因の理解や職場環境改善の考え方など、実務に活かしやすい内容が特徴です。

人事担当者にとっては、休職・復職対応職場環境改善メンタル不調の予防施策を検討する際の基礎知識として活用される場面があります。

専門家として対応する資格ではありませんが、適切な初期対応や関係部署との連携を行ううえでの知識整理として評価されることがあります。

参考:
メンタルヘルス・マネジメント検定|大阪商工会議所
結果・受験者データ|大阪商工会議所

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資格以外で人事が評価されるスキル

人事では、資格に加えて日々の業務を通じて発揮されるスキルが評価に直結する場面も少なくありません。
ここでは、人事担当者として特に重視されやすいスキルを整理します。

コミュニケーションスキル

人事は、経営層・現場社員・候補者・外部ベンダーなど、多様な立場の人と関わる調整役を担います。
そのため、単に情報を伝える力だけでなく、相手の立場や背景を踏まえて意図をくみ取り、適切な表現で返す力が求められます。

特に、人事施策の説明や面談の場面では、一方的な伝達ではなく、相互理解を前提とした対話が重要です。
相手の納得感を意識したコミュニケーションができるかどうかは、人事担当者としての信頼性に直結します。

プレゼンテーションスキル

人事業務では、採用計画や制度改定、評価制度の見直しなどについて、経営層管理職に説明する機会があります。
その際、内容の正しさだけでなく、「なぜ必要なのか」「どのような効果が見込めるのか」を分かりやすく伝える力が求められます。

資料構成や説明の順序、相手の関心に応じた情報整理ができるかどうかによって、施策の実行スピードや受け止め方は大きく変わります。
人事企画制度運用に関わる人事担当者にとって、重要度の高いスキルです。

課題発見・改善提案力

人事領域では、採用の停滞、離職率の上昇、育成施策の形骸化など、組織課題顕在化することがあります。
こうした課題に対し、表面的な事象だけで判断するのではなく、背景や構造を整理したうえで改善策を検討できる力が求められます。

日常業務の中で違和感や非効率を見逃さず、現状分析から改善提案につなげられる人事担当者は、組織への貢献度が高いと評価されやすい傾向があります。
単なる運用担当にとどまらず、課題解決の視点を持てるかどうかが重要です。

データ分析力

近年、人事業務では採用数離職率評価結果エンゲージメント指標など、数値データを活用する場面が増えています。
データを集計するだけでなく、そこから傾向や課題を読み取り、施策検討や意思決定に活かす視点が求められます。

高度な分析スキルが必須というわけではありませんが、Excelなどを用いて基本的な集計や比較ができ、数値を根拠として説明できることは、人事担当者としての説得力を高める要素となります。

労働法・人事関連法令の基礎知識

人事業務は、労働基準法労働契約法社会保険関連法令など、多くの法令と密接に関わっています。
すべてを専門的に理解する必要はありませんが、基本的なルールや考え方を把握しておくことは、適切な判断を行ううえで欠かせません。

法令への理解が浅いと、意図せずリスクを生む可能性もあります。
日常業務の前提知識として基礎的な法令理解を持っていることは、人事担当者としての信頼性を支える要素の一つです。

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人事の資格・キャリアに関するよくある質問

ここでは、人事のキャリアに関する質問について整理します。

Q.未経験から人事へ転職できる?

未経験から人事へ転職することは可能ですが、これまでの職務経験の中で「人事業務に活かせる要素」をどのように整理し、伝えられるかが重要になります。

たとえば、営業や企画職での調整業務、マネジメント経験、社内外との折衝経験などは、人事業務と親和性のあるスキルといえます。

また、企業によっては即戦力性を重視するため、未経験者向けの求人は限定的になる傾向があります。
そのため、志望動機やキャリアの一貫性を明確にし、「なぜ人事を目指すのか」「どの領域に関わりたいのか」を整理したうえで転職活動に臨むことが重要です。

Q.資格を取ると年収アップにつながりますか?

資格を取得しただけで、直接的に年収が上がるケースは多くありません。人事においては、資格よりも実務経験や担当領域、成果が評価に大きく影響するためです。

一方で、資格取得を通じて対応可能な業務領域が広がったり、専門性が高まったりすることで、評価やポジションの幅が広がる可能性はあります。

結果として、キャリアアップや転職を通じて年収向上につながるケースもありますが、資格はあくまでその土台となる要素と捉えるのが現実的です。

Q.人事経験者でも資格を取る意味はありますか?

人事経験者であっても、資格を取得する意味はあります。
ただし、その意義は「資格そのもの」ではなく、自身の経験や専門性を整理し、客観的に示す手段として活用できる点にあります。

人事業務は領域が広く、実務経験があっても担当範囲や強みは人によって異なります。
資格取得を通じて知識を体系的に整理することで、自身の立ち位置や専門領域を明確にできる点は、経験者にとってもメリットといえるでしょう。

また、転職や社内での役割拡張を検討する際には、「どの領域に強みがある人事なのか」を分かりやすく伝える必要があります。
資格はその補足材料として活用できるため、実務経験と組み合わせて提示できれば、評価や理解を得やすくなる場合もあります。

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まとめ

人事の仕事において、資格は必須ではありませんが、担当領域の理解を深めたり、自身の専門性を整理したりする手段として活用されることがあります。
特に、採用・人材育成・労務といった分野ごとに求められる知識や視点は異なるため、自身の業務内容や今後のキャリアに応じて検討することが重要です。

一方で、人事では資格の有無以上に、実務経験を通じて培われるスキルや判断力が評価される場面も多くあります。
コミュニケーション力や課題発見力、法令への理解など、日常業務の中で発揮されるスキルを意識的に磨いていくことが、長期的なキャリア形成につながります。

資格取得を検討する際は、「なぜ必要なのか」「どの業務やキャリアに活かしたいのか」を整理したうえで、自身に合った選択を行いましょう。
実務と結びつけながら活用することで、資格は人事としての強みを補完する有効な手段となります。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

田々美 綾夏

大学卒業後、新卒で人材会社へ入社し福祉業界の派遣営業として従事。
退社後海外留学やカスタマーサポート業を経験し、MS-Japanに入社。
キャリアアドバイザーとして企業の管理部門、会計事務所などへの転職支援を担当しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 社会保険労務士事務所 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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