経理の働き方は変えられる!ワークライフバランスを整える転職のポイントと成功事例

経理職として働く中で、繁忙期の残業やルーティン業務の繰り返しに「このままの働き方で良いのか」と感じる方は少なくありません。
一方で、近年はリモートワークやフレックス制など、柔軟な働き方を取り入れる企業も増えています。
本記事では、経理職が抱えやすい働き方の悩みから、近年の労働環境の変化、そしてワークライフバランスを整え、理想のキャリアを実現するための具体的な方法までを解説します。
経理職が抱えやすい働き方の悩みとは?
経理は企業に欠かせない存在ですが、その業務特性から特有の悩みを抱えやすい職種でもあります。
ここでは、経理職が直面しやすい代表的な悩みを整理します。
残業・繁忙期の業務負担が大きい
月末月初や四半期・年度末の決算期には業務量が急増し、長時間労働が常態化しやすいのが経理職の特徴です。
加えて、突発的な会計処理や監査対応が重なると、休日出勤が必要になるケースもあります。
こうした状況はワークライフバランスを崩しやすく、多くの経理職が悩む要因となっています。
働き方を変えたいけれど、何から始めればいいのか分からない
「今の働き方を変えたい」と思っても、具体的にどのような選択肢があり、何から始めるべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
スキルアップによるキャリアチェンジ、業務改善の提案、転職など方法はいくつかありますが、情報不足や将来への不安から一歩を踏み出せずにいるケースが少なくありません。
今の会社では「働きやすさ」を感じられない
企業によっては、経理部門の人員体制が不足していたり、業務が属人化していたりすることもあります。
その結果、一人に業務負担が集中しやすく、「働きやすさ」を感じにくい環境になってしまうのです。
また、効率化の仕組みが整っていない会社では、非効率なルーティン業務に多くの時間を費やすことになり、専門性を高める機会を見出せず、キャリアの停滞を感じてしまうこともあります。
経理職の働き方は変えられる!
これまで経理職は「残業が多い」「ルーティン業務中心」といったイメージを持たれがちでした。
しかし近年は、企業の働き方改革やDX推進により、経理の働き方も大きく変わりつつあります。
リモートワーク・フレックスなど柔軟な働き方の浸透
コロナ禍をきっかけに、リモートワークやフレックスタイム制を導入する企業が急増しました。
経理業務もクラウド会計ソフトやワークフローシステムの普及により、在宅でも対応可能な範囲が広がっています。
通勤時間を削減できることで、プライベートや学習時間を確保しやすくなったと感じる方も多いでしょう。
フリーランスなど多様な雇用形態の広がり
近年では、フリーランスとして複数企業の経理を担当する働き方や、非常勤・時短勤務など多様な雇用形態も増えています。
専門性を活かしつつ、時間や働く場所を柔軟に選べるスタイルを志向する経理人材も増えており、ライフスタイルに合わせた働き方が可能になりつつあります。
ワークライフバランスを重視する企業も増加
従業員の定着率を高めるために「働きやすさ」を重視する企業が増えています。
経理部門に適切な人員を配置し、業務を効率化することで残業を削減したり、年間休日数を増やしたりする企業も見られます。
「経理=忙しい」というイメージは徐々に変わりつつあるのです。
働き方を変えたい経理職がやるべきこと
経理職の働き方を改善するためには、大きく分けて「今の職場でできることを試みる」か「新しい環境へ移る」かの二つのアプローチがあります。
順を追って行動することで、自分にとって最適な選択肢が見えてきます。
今の職場でできることを見直す
まずは現職で改善できる部分がないか、見直してみましょう。
工夫次第で、働きやすさが向上する可能性があります。
業務効率化の提案
経理業務はルーティンが多いため、RPA(業務自動化ソフトウェア)やクラウド会計システムの導入などで効率化が可能です。
こうした提案は部署全体の生産性向上につながり、自身の評価にも結び付きやすくなります。
スキルアップや資格取得
日商簿記や税務関連の資格、Excelや会計システムの高度なスキルを習得することで、担当できる業務の幅が広がります。
社内でのキャリアチェンジや昇格につながることもあります。
部署異動や制度の利用
勤務時間の調整や在宅勤務制度など、会社に備わっている制度を活用できないか確認してみましょう。
また、将来的に財務や経営企画などの部署への異動を目指すのも一つの方法です。
理想の環境へ転職する
現職での改善が難しいと感じたら、転職によって環境を変えて、理想の環境を実現することも有効な選択肢です。
条件の優先順位を明確にする
「残業の少なさ」「リモート勤務の可否」「キャリアアップの機会」など、自分にとって最も重要な条件を整理することが第一歩です。
「働きやすい企業」を見極める
経理チームの人数や体制、業務の分担状況、効率化への取り組みなどは働きやすさを左右します。
求人票だけでなく、社風や制度の運用実態を把握することが重要です。
転職活動を通じてキャリアを広げる
大手企業で専門性を深める、ベンチャーで幅広い業務に挑戦する、外資系で成果主義の働き方を経験するなど、転職は新しいキャリアの可能性を広げるきっかけにもなります。
転職を通じて理想の環境を手に入れることは、ワークライフバランスの改善だけでなく、長期的なキャリア形成においても有効な手段です。
働き方に悩んだら経理専門の転職エージェントに相談しよう
「今の会社でこの先も働き続けるべきか」「転職すれば働きやすさは本当に改善できるのか」など、経理職の方が直面する悩みは、一人で考えていても答えを出すのが難しいものです。
そんなときに頼りになるのが、経理に特化した転職エージェントです。
経理専門の転職エージェントを活用するメリット
求人票だけでは分からない「働き方の実態」を把握できる
求人票に「残業少なめ」と書かれていても、実際には繁忙期に深夜残業が続くケースがあります。
一方で、数字では分からない社内の協力体制が働きやすさにつながっているケースもあります。
転職エージェントは、企業とのやり取りや過去の転職者の声からリアルな情報を持っているため、ミスマッチを防げます。
自分の希望条件に合う求人を効率的に見つけられる
「リモートワークが可能」「経理チームが整っている」「キャリアアップできる」など、働き方に直結する条件は人によって異なります。
転職エージェントに相談することで、数多くの求人の中から自分の希望に合うものをピンポイントで紹介してもらえます。
キャリアの棚卸しと今後の選択肢を整理できる
転職するかどうかを決める前に、自分のスキルや経験を整理して「市場でどのように評価されるのか」を知ることは重要です。
転職エージェントとの面談を通じて、自分が気づいていなかった強みや可能性に気づくケースも多くあります。
転職活動全体をサポートしてもらえる
書類選考や面接対策、条件交渉まで、専門的なサポートが受けられるため、安心して転職活動を進められます。
特に「ワークライフバランスを重視したい」「働き方を変えたい」といった希望を面接でどう伝えるかは悩みやすいポイントですが、事前にアドバイスを受けることでスムーズに対応できます。
転職を決めていなくても相談できる
「まだ転職するかどうか分からない」という段階でも、転職エージェントへの相談は有効です。
キャリア相談や市場の情報収集を通じて、自分の選択肢を知ることができるからです。
実際に転職する・しないにかかわらず、一度プロに相談することで、働き方を見直すきっかけが得られるでしょう。
MS-Japanは、管理部門・士業に特化した転職エージェントとして、35年の実績があります。
経理専門のキャリアアドバイザーが、キャリアプランのご提案から入社までサポートするので、現在の働き方にお悩みの方はぜひご相談ください。
「働き方改革」を実現した経理の転職成功事例
ここでは、MS-Japanを利用して、転職で「働き方改革」を実現させた経理職の事例をご紹介します。
柔軟な働き方ができる環境へ転職成功した経理職の事例
Kさん(30代女性)
転職前:上場グループ企業
転職後:非上場企業
Kさんは仕事と子育ての両立に限界を感じ、転職を決意しました。キャリアを諦める気持ちはなかったものの、残業が難しいことから「受け入れてくれる企業があるのか」と不安を抱えていました。
そこで、MS-Japanでは希望条件を具体的に言語化。「繁忙期なら夜に1〜2時間のリモート残業は可能」「週2〜3日のリモートを希望」「18時30分までに最寄駅に到着したい」など、働ける範囲を明確に伝えることで応募できる企業の幅を広げられました。
結果として、複数社から内定を獲得。最終的に週2〜3日のリモート勤務や残業ほぼなしといった条件が整う企業へ転職成功しました。

キャリアアドバイザー森澤 初美
リモートワークの普及により、時間制約のある経理人材の需要は高まっています。
自身の「できること」と「できないこと」を具体的に言語化することで、子育て世代にとっても柔軟なキャリアの選択肢が広がっています。
ワークライフバランスが取れる上場企業へ転職した経理職の事例
Iさん(30代男性)
転職前:上場子会社
転職後:東証スタンダード上場企業
Iさんは上場子会社で日常経理や月次決算、予算作成など幅広い経験を積んできましたが、地方拠点勤務のため業務が限定的で、さらなるキャリアアップが難しい状況でした。
上場企業の経理経験を得て、スキルと年収を高めたいと考え、転職活動を開始しました。
ただし、結婚後は家庭との両立も重視しており、単に労働時間を増やして収入を上げるのではなく、長期的に安心して働ける環境を希望。
結果的に、残業が少なくリモートと出社を組み合わせたハイブリッド勤務が可能な老舗上場メーカーへ転職し、ワークライフバランスを保ちながらキャリアアップを実現しました。

キャリアアドバイザー森澤 初美
希望条件をすべて満たす求人を求めるのではなく、「今回の転職で何を一番かなえたいのか」を明確にし、優先順位をつけることが、キャリアアップとワークライフバランスの両立を成功させる近道です。
柔軟な働き方ができる経理の求人情報
MS-Japanで取扱っている経理求人のうち、柔軟な働き方ができる求人の一部をご紹介します。
フルフレックス/働き方柔軟/東証プライムIT企業より経理
仕事内容 |
・月次/四半期/年次決算業務(決算仕訳、原価計算、在庫管理、税金計算など) ・開示資料・注記の作成サポート ・連結決算に関する仕訳作成、内部取引消去 等 ・法人税・消費税申告書の作成補助 ・会計システム/業務フローの改善・整備 ・内部統制(J-SOX)運用や監査対応 |
必要な経験・能力 |
・上場企業における財務会計実務の経験(5年以上) ・ERPなどの基幹システムおよびExcel等のOfficeツールの実務操作スキル ・開示資料(四半期・有価証券報告書等)作成の実務経験 |
想定年収 |
600万円 ~ 800万円 |
経理マネージャー/リモートメイン・フルフレックス・副業可・残業少なめ
仕事内容 |
・経理業務全般統括(決算業務、予算策定/業績管理、税務) ・企画業務(原価計算制度などの制度設計) ・経理メンバーマネージメント ・ステークホルダー報告(資料作成を含む) ・会計監査対応 |
必要な経験・能力 |
・マネジメント経験(組織の規模や人数は不問です) ・四半期、年次決算業務の実務経験 ・管理会計と原価計算の実務経験 ・日商簿記2級以上の資格 |
想定年収 |
807万円 ~ 1,007万円 |
【経理マネージャー候補】リモート勤務週4日程度可/年間休日128日/福利厚生充実
仕事内容 |
・管理部門と他部署の間に立ち、社内規程の策定/運用 ・月次・四半期・年次決算 ・上場準備・制度設計・原価計算規程、販売管理規程、稟議規程などの財務関連社内規程の整備・運用 ・業務改善・効率化 |
必要な経験・能力 |
・IT会社における経理業務のご経験(3年以上) |
想定年収 |
700万円 ~ 800万円 |
経理の転職でよくある質問
ここでは転職活動中の経理職が特によく抱える疑問に回答します。
Q.「働きやすい」と言われる企業の共通点は?
経理職にとって「働きやすい」企業には共通する特徴があります。
・人員体制が整っており、繁忙期に業務が一人に偏らない仕組みがある
・業務の属人化を防ぐためにマニュアルやチェック体制が用意されている
・クラウド会計やRPAなどの効率化ツールが導入され、残業を減らす取り組みが実際に運用されている
これらが揃っている企業は、安心して長く働ける傾向があります。
Q.転職する際に見ておくべきポイントは?
企業選びでは「働き方」「業務内容」「成長機会」の3点を意識すると良いでしょう。
働き方では残業時間や休暇の取りやすさ、リモート勤務やフレックス制が実際に利用されているかを確認することが大切です。
業務内容では、自分が担当できる範囲やチーム体制を把握し、希望するスキルを伸ばせるかを見極めましょう。
さらに、将来的に経営企画や管理会計に挑戦できるか、資格支援制度など成長機会の有無も確認しておくと安心です。
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Q.働き方を改善したい場合の退職理由はどう伝える?
退職理由を「残業が多い」「働き方が合わない」と率直に伝えると、採用担当者にネガティブな印象を与えかねません。
そのため、働き方を理由とする場合でも 前向きな言い回しに変換することが重要です。
例えば「繁忙期の長時間労働を経験し、業務効率化や生産性を意識するようになりました。
今後は効率性を重視する環境でスキルを発揮し、より成果を出したいと考えています」といった形にすると、単なる不満ではなく学びや成長意欲につながる理由として伝えられます。
また、「ワークライフバランスを整えることで、長期的に安定して力を発揮できる環境を求めています」という伝え方も有効です。
単なる条件希望ではなく、「パフォーマンスの最大化」「キャリアの持続性」と結びつけて説明することで、ポジティブな印象を与えられるでしょう。
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Q.面接でよく聞かれる質問は?
面接では、担当してきた業務内容や決算への関与度を整理した自己紹介がまず求められます。
その上で「どのように業務を改善したか」「繁忙期をどう乗り切ったか」「ミスが起きたときにどのように対応したか」といった具体的なエピソードを問われることが多いです。
また、今後のキャリア志向もよく確認されます。
「開示業務に挑戦したい」「管理会計を経験したい」など、将来像を明確に語ることで前向きな印象を与えられます。
さらに働き方について質問されるケースもありますが、その際は「残業は少ない方がいい」といった一方的な希望だけでなく、「効率的に進める工夫をしつつ、平時は残業を抑えたい」など、業務改善や生産性と絡めて伝えるのが効果的です。
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まとめ
経理職の働き方には、繁忙期の残業やルーティン業務の多さなど、特有の悩みが存在します。
しかし近年は、リモートワークやフレックス制の導入、業務効率化の推進などにより、経理の働き方は大きく変わりつつあります。
「今のままでいいのか」と悩んだときこそ、自分のキャリアや働き方を見直すチャンスです。
現職で改善できる取り組みもありますが、環境によっては限界があるのも事実です。
理想の働き方を実現するためには、新しい環境に踏み出すことも有効な選択肢といえます。
「MS-Japan」など、経理に特化した転職エージェントを活用すれば、求人票だけでは分からない働き方の実態や、自分に合った企業の情報を得ることができます。
働きやすい環境を見つけるために、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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