2024年06月18日

CPE単位認定 周りの会計士達はどうやって単位をとっているの?

公認会計士にとって、CPEは常に避けて通れない関門であり、人によっては悩みの種となっています。
CPEがあるからこそ、日本の公認会計士はこの高度資本主義社会の発展に十分な貢献ができるのであって、知識面やスキルに関して高い品質が保証されているといえます。

今回は、会計士が受けるCPEとは具体的にどのような制度なのか、ご説明します。

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CPE単位認定とは?

公認会計士は、医師や弁護士など他の国家資格と異なり、試験に合格したら一生涯にわたって有効という資格ではありません。
公認会計士法28条は「公認会計士は、内閣府令で定めるところにより、日本公認会計士協会が行う資質の向上を図るための研修を受けるものとする」と定めています。この「研修」が継続的専門研修制度(CPE)です。

すべての公認会計士は、CPEの単位を毎年取得し続けなければ、日本公認会計士協会から、「履修勧告」や「氏名等公表」「資格停止」「退会勧告」などの厳しいペナルティを受けるおそれまであるのです。つまり、公認会計士の資格をメンテナンスし続けるために必須なのが、CPE単位認定なのです。

医師や弁護士も、常に専門知識を更新し、技術の研鑽に励んでいますが、それはあくまでも各自の努力に委ねられます。
しかし公認会計士は、業界を挙げて半強制的に、知識と技術のアップデートを義務づけているのです。

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CPEの基礎知識

すべての公認会計士は、事業年度(毎年4月1日~翌年3月31日)を含む直近3年間で120単位以上、1年間で最低20単位を取得し、かつ日本公認会計士協会に履修結果を報告しなければ、その資格を維持できません。履修結果の報告期限は、毎年4月30日です。

CPEの研修内容には、「職業倫理」「監査の品質」「税務」など、公認会計士の職務に関連するさまざまな分野があります。

研修方法には、次の4種類があります。

集合研修

複数人の公認会計士が、セミナー形式などで一斉に受ける形態の研修です。日本公認会計士協会やその地域会・地区会が主催する研修から、会計士が個人的に開く研修、受講時間や場所を問わないオンライン研修(e-ラーニング)まで、さまざまな方法で受講できます。
講義時間1時間あたり1単位(講義時間が1時間を超えた場合、30分以上は切り上げて1時間とみなす)を取得できます。

自己学習

会計に関する専門図書や専門雑誌記事の読書、あるいは「会計・監査ジャーナル」「JICPAニュースレター」のうち、CPEに指定されている記事に関するマスターによって単位が認定されます。
読書は2時間で1単位、1冊あたり上限は5単位となります。また、政府関連団体や地方自治体などが主催する委員会への出席も、単位認定の対象となります。委員会は1事業年度で10単位が取得上限です。

著書等執筆

自著の執筆、雑誌への寄稿、論文の執筆を行った場合(ただし、大学・大学院の課題として提出した論文・レポートの執筆を除く)に関しては、4,000字以上の原稿を書くと、4,000字ごとに1単位を取得することができます。
1つの著書・寄稿・論文については10単位(40,000字)が取得の上限ですが、事業年度に複数の著書・寄稿・論文を行えば、単位取得の上限はありません。

また、委員会答申を単位取得の対象とすることができます。この場合は1答申あたり5単位(20,000字)が上限です。

研修会等講師

日本公認会計士協会の本部・地域会・地区会などが主催した講座の講師として登壇した場合、講義時間1時間あたり2単位(講義時間が1時間を超えた場合、30分以上は切り上げて1時間とみなす)を取得できます。
ただし、CPE認定研修の講師は、講義時間1時間あたり1単位となります。

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CPEの具体的な取得方法

多忙で、単位取得に要する時間を制約されたくない方は、自己学習を選ぶといいでしょう。自己学習だけでも1事業あたり40単位の「ノルマ」を達成することが認められています。
ただし、たとえば専門図書の読書は、2時間でようやく1単位の取得が認められるなど、自己学習は他の取得方法に比べて時間効率がよくありませんし、自主的にテーマを決めてふさわしい書籍を選ぶ手間がかかるところには注意が必要です。

その点、集合研修は主催者がテーマを設定するので、公認会計士資格者は、研修のスケジュールを把握してその日時に出席すれば単位取得ができます。自己学習や著書執筆、講師としての登壇と比べて、テーマ設定の負担を回避できるため、より効率的に単位取得ができるのは確かです。

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まとめ

年間40単位の取得が原則として義務づけられるCPEには、集合研修・自己学習・著書等執筆・研修会等講師の4種があります。それぞれに特徴がありますから、仕事やプライベートの合間を縫って、特色ごとに4種のCPEを使い分けながら単位取得を目指すことができます。

特に集合研修は、日本公認会計士協会などの主催であれば無料で受講できますし、なかなか日程が合わなければ、さまざまな企業や団体がCPE研修を提供しています。ご自身のスケジュールにあった研修講座を探してみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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