30代会計士の転職│「経営陣と監査法人の橋渡し役」が市場価値を高める、評価される調整力の磨き方
はじめに|会計士にコミュニケーション力が求められる理由
変化の激しい現代、公認会計士のキャリアにおいて、高度な専門知識や技術力はあくまで「前提条件」に変わりつつあります。
特に成長意欲の高い30代~40代の会計士が、市場で真の評価を得るために不可欠なのが、「調整力」と「コミュニケーション力」です。
管理部門・士業専門のエージェントである当社の知見から結論づけるのは、「経営陣・監査法人・他部門との橋渡しができる会計士」こそが、最も稀少性の高いプロフェッショナル人材であるという事実です。
本記事では、高度な専門性を活かしつつ、組織に変革をもたらす「調整力」の具体的な評価軸と、転職成功のためのアピール戦略を徹底解説します。
クライアントとの信頼構築の重要性:経営層・CFOとの信頼関係構築が成果に直結するため
公認会計士がプロジェクトや業務で最大の成果を出すためには、クライアント企業の経営層やCFOとの間に、強固な信頼関係を構築することが極めて重要です。
信頼関係は、会計士が単なる外部の専門家ではなく、企業にとって価値あるパートナーとして認知されるための土台となります。
この信頼を勝ち取るためには、専門的な知見に加え、「誠実性」「倫理観」、そして「相手の立場を理解しようとする姿勢(傾聴力)」といった人間的な要素が必要になります。
特に30代の会計士は、経験と実績を基に、経営層との対話においてリスクリテラシーを如何なく発揮し、単なる外部からの視点を超えた「事業の成長」にコミットする姿勢が求められます。
この意識改革こそが、経営層の信頼獲得に直結し、質の高い監査意見や、実効性のあるコンサルティング提言につながる、不可欠な要素です。
経営陣・監査法人・他部門との調整役:多様な立場・考えを整理・調整し合意形成する力
30代の公認会計士の市場価値は、「異なる文化・共通言語・利害を持つ多様なステークホルダーを巻き込み、合意形成へと導くクロスファンクショナル・ガバナンス構築力」によって測られます。これは、単に会議で意見をまとめるだけでなく、自らを「コミュニケーション・ハブ」として機能し、変革を推進する力です。
監査法人出身者が事業会社へ移った際、監査法人で培った「準拠性(枠組みへの適応力)」は、事業会社においては「既存スキームへの依存」と表裏一体のリスクを孕んでいます。
CFOが求めていることは、前例のない課題に対し、部門を横断して合意形成を導く「構造設計力」です。
CFOが求めるのは、例えばPMIフェーズや上場準備といった「構築期」において、利害が対立する部門の思考(経理は統制、営業は売上)を翻訳し、客観的な会計知見を武器に、歩み寄りのための代替案を自ら提示し、推進できるリーダーシップです。
この調整役を担える会計士は、組織の「核」として高評価を得ます。
30代会計士が評価されるスキル:論理的説明力、傾聴力、交渉力
転職市場で評価される30代会計士のヒューマンスキルは、戦略遂行に直結する「論理的説明力」「傾聴力」「交渉力」というハードスキルとして認識されています。
1.論理的説明力
複雑な論点を「事実・分析・結論」の構成で簡潔に提示し、非専門家である経営層にも迷いなく理解させる「伝達のプロフェッショナル性」です。
2.傾聴力
相手の表面的な言葉でなく、対立する部門の裏側にある真の懸念(例:営業部門のKPIへの影響)を非公式の場も含めた個別対話を通じて引き出す力です。
この周到な準備が、後の円滑な調整を可能にします。
3.交渉力
感情論に流されず、客観的なデータと論理に基づきながらも、相手の譲れない一線を見極め、双方にメリットのある代替案(例:全社標準化+部門別KPIの調整)を提示し、合意形成を導く力です。
これらのスキルは、組織内の意思決定を迅速化し、変革を成功に導くために不可欠であり、30代のマネジメント層に求められる最も重要な資質です。
転職市場での評価ポイント:コミュニケーション力を備えた会計士は稀少
コミュニケーション力・調整力を備えた30代会計士は、現代の転職市場では「即戦力」ではなく「変革推進力の源泉」として評価されており、その稀少性の高さから、極めて高い採用ニーズがあります。
当社の支援実績では、部門横断的なワーキンググループを自ら設計・ファシリテーションしたという具体的な調整経験が決め手となり、前職から年収が150万円以上アップした事例もあります。
現在、企業のニーズは、DX推進に伴う「IT部門・事業部門・経理部門を調整して導入を進めた経験」や、ESG・サステナビリティ開示における「数値・制度・プロセス・ステークホルダー調整を横串で動ける力」など、「変化を伴うプロジェクトをリードできる変革型調整力」へとシフトしています。
監査法人時代に培った知識を、「自社(事業会社)の当事者視点」に切り替え、組織の成長とガバナンスの両立のためにプロアクティブに動ける人材こそが、次のキャリアで求められています。
アピール方法と具体事例:職務経歴書・面接での伝え方
アピール成功の鍵は、あなたの調整力を「自ら設計・牽引した変革」として、具体的な行動のディテールとともに語る点にあります。
職務経歴書:部門横断の成果をプロフェッショナルな言葉で記載
職務経歴書では、単なる実績ではなく、あなたの専門家としての知見に基づいた独自の表現を盛り込みます。
記載例:
「国内5拠点+海外2拠点における経理統一プロジェクトを推進。
月次報告フォーマットのバラつき解消に向け、多拠点/多文化環境での報告ライン統合を目的とした部門横断ワーキンググループを自ら設計・設置。
ステークホルダー・アライメント推進の結果、月次社内報告のリードタイムを5営業日→2営業日に短縮し、意思決定の迅速化に貢献。」
面接:困難な調整を成功させたストーリーを語る際の評価ポイント
面接では、経営層・CFOが最も注目する行動のディテールを具体的に語ります。
評価が高まる行動のディテール
・準備フェーズでの周到さ:「対立する部門のキーマンと非公式の場で個別に傾聴し、潜在的な懸念点(例:営業部門のKPIへの影響)を事前に把握した」こと。
・対立解消の具体的手法:感情論ではなく、「論理とデータに基づきながらも、両者の譲れない部分を特定し、代替案(例:全社標準化+部門別KPIの調整)で合意を促した」こと。
・成果と次フェーズへの展望:「この調整により部門間突合せエラーを30%削減した」という数値結果に加え、「今後は全社ガバナンスと連動させる予定」と次の展開まで語れると、「この人は終わりではなく先を見ている」と評価されます。
まとめ|高い調整力は“選ばれる会計士”の条件
公認会計士のキャリアにおいて、「技術力」は参入資格であり、「調整力」こそが最高峰のポジションへの切符です。
30代の会計士が市場で真価を発揮し、高待遇を得るためには、監査法人(クライアント)視点から脱却し、「自社(事業会社)の当事者視点」で行動することが不可欠です。
会計・監査の知識を事業の成長や経営戦略の実行に直結させるには、部門の言語を翻訳し、プロアクティブに動く調整力が必要です。
技術力だけでなく、人間力、すなわち調整力を磨き続け、組織の変革を牽引できるリーダーを目指すことこそが、あなたのキャリアを成功へと導く「選ばれる会計士」の絶対条件です。
当社は、経理・財務・法務・人事といった管理部門と公認会計士・税理士などの士業に特化し、市場のリアルな評価基準を熟知しています。
あなたの持つ「調整力」が市場でどのような価値に換算されるのか、そしてそれを最大限に活かせるポジションはどこかを、独自の非公開求人情報と照らし合わせて具体的にご提案できます。
変革を牽引するリーダーとしての次の一歩を、ぜひ当社にご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
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会計士の転職・キャリアに関するFAQ
監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。
具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。
転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。
キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。
ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?
一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。
監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。
事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。
40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。
企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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