【令和7年公認会計士試験|論文式試験】直近合格率や結果発表後の流れなど

8月22日~24日に「公認会計士試験論文式試験」が行われます。
今回の試験の合格発表は11月21日です。
試験合格後の就職活動は約2週間と非常に短期間であり、迅速な対応が求められます。
本記事では、令和7年の公認会計士試験の受験状況をはじめ、直近試験の受験者数・合格率や、公認会計士試験全体の傾向について分析したうえで、試験後の流れ・ポイントなどを解説します。
今回の受験者だけでなく、現在勉強中の方も早めに情報収集を行うことで、効率的に公認会計士への道を進むことができます。ぜひ参考にしてください。
令和7年公認会計士試験の受験状況
令和7年公認会計士試験の受験状況は以下の通りです。
サマリー
・願書提出者数:22,056人
・短答式試験答案提出者数:13,805人
※願書提出者数(22,056人)から欠席者(5,995人)と免除者(2,256人)を除いた人数
・短答式試験合格者数:2,409人(第Ⅰ回:1,383人、第Ⅱ回:1,026人)
・論文式試験受験予定者数:4,665人(短答式合格者:2,409人、免除者:2,256人)
参考:令和7年公認会計士試験の受験状況について|公認会計士・監査審査会
令和6年公認会計士試験の論文式試験の合格率は?
前回の令和6年公認会計士試験論文式試験の結果は下記の通りです。
サマリー
・願書提出者数:21,573人
・受験者数:4,354人(+162人)
・合格者数:1,603人(+59人)
・合格率(合格者数/受験者数):36.8%(±0.0%)
令和6年公認会計士試験論文式試験では、受験者数が4,354人(前年比+162人)、合格者数が1,603人(前年比+59人)、合格率が36.8%(前年比±0.0%)という結果でした。
参考:令和6年公認会計士試験合格者調|公認会計士・監査審査会
過去5年間の公認会計士試験論文式試験の受験者数・合格率は?
過去5年間に実施された受験者数・合格率は下表です。
試験年 | 願書提出者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和2年(2020年) | 13,231人 | 3,719人 | 1,335人 | 35.9% |
令和3年(2021年) | 14,192人 | 3,992人 | 1,360人 | 34.1% |
令和4年(2022年) | 18,789人 | 4,067人 | 1,456人 | 35.8% |
令和5年(2023年) | 20,317人 | 4,192人 | 1,544人 | 36.8% |
令和6年(2024年) | 21,573人 | 4,354人 | 1,603人 | 36.8% |
願書提出者数、受験者数、合格者数いずれも増加傾向にあります。
合格率は、34%台~36%台で安定して推移しており、直近5年間の論文式試験における難易度は大きな差がないと考えられるでしょう。
参考:過去の試験結果等|公認会計士・監査審査会
過去5年間の公認会計士試験短答式試験の受験者数・合格率は?
試験年 | 短答式 | 願書提出者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
令和2年 (2020年) |
第I回 | 9,393人 | 7,245人 | 1,139人 | 15.7% |
第Ⅱ回 | 9,385人 | 5,616人 | 722人 | 12.9% | |
令和3年 (2021年) |
第I回 | 14,192人 | 9,524人 | 2,060人 | 21.6% |
第Ⅱ回 | - | - | - | - | |
令和4年 (2022年) |
第I回 | 12,719人 | 9,949人 | 1,199人 | 12.0% |
第Ⅱ回 | 14,958人 | 9,870人 | 780人 | 7.9% | |
令和5年 (2023年) |
第I回 | 14,550人 | 11,401人 | 1,182人 | 10.3% |
第Ⅱ回 | 15,883人 | 10,429人 | 921人 | 8.8% | |
令和6年 (2024年) |
第I回 | 15,681人 | 12,100人 | 1,304人 | 10.8% |
第Ⅱ回 | 16,678人 | 11,003人 | 1,041人 | 9.5% |
※受験者(答案提出者)をベースに合格率を算出
※令和3年の第II回短答式試験はコロナのため中止。
過去5年間でみると、第Ⅰ回試験よりも第Ⅱ回試験のほうが合格率は低い傾向にあります。
過去5年間の公認会計士試験全体の受験者数・合格率は?
公認会計士試験全体の結果は下表のとおりです。
試験年 | 願書提出者数 | 短答式試験 受験者数 |
短答式試験 合格者数 |
論文式試験 受験者数 |
最終 合格者数 |
最終 合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|
令和2年(2020年) | 13,231人 | 11,598人 | 1,861人 | 3,719人 | 1,335人 | 10.1% |
令和3年(2021年) | 14,192人 | 12,260人 | 2,060人 | 3,992人 | 1,360人 | 9.6% |
令和4年(2022年) | 18,789人 | 16,701人 | 1,979人 | 4,067人 | 1,456人 | 7.7% |
令和5年(2023年) | 20,317人 | 18,228人 | 2,103人 | 4,192人 | 1,544人 | 7.6% |
令和6年(2024年) | 21,573人 | 19,564人 | 2,345人 | 4,354人 | 1,603人 | 7.4% |
受験者数と最終合格者数が毎年増加している傾向に対して、最終合格率は減少傾向となっています。
前述の通り、論文式試験のみの合格率は安定しているため、短答式試験の難易度が高まっていると考えられるでしょう。
また、令和5年4月1日に「公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律」が施行され、従来は2年だった実務経験(業務補助等)の期間が3年以上に改められました。
近年、企業活動のグローバル化や業務内容の複雑化・専門化に伴い、監査の現場でも、実務経験を通じて学ぶ知見の重要性が高まっています。
複雑化する監査業務に対応する人材を育成するためにも、公認会計士試験も難化傾向にあると言えるでしょう。
公認会計士試験に合格した後の流れ
晴れて公認会計士試験に合格した場合の流れをご紹介します。
就職活動を行う
公認会計士試験に合格した人の9割は、登録に必要な実務経験の要件を満たすために、監査法人に就職します。
監査法人への就職活動は、合格発表直後の11月中旬に始まり、約2週間後の12月初旬には内定が出るスケジュールが一般的です。
監査法人の就職活動は、エントリーシートでの書類選考と面接が中心であるため、事前準備をしっかりと行う必要があります。
内定を得るために特に重要となるのが「志望動機」です。
志望動機の作成では、「業界を選んだ理由」「応募先監査法人を選んだ理由」「自身を採用するメリット」という3点を明確にすることが求められます。
そのために、まずは業界や監査法人の特徴や強みを研究し、応募先監査法人が求める人物像を把握することが重要です。
次に、これまでの学習や職歴を通して身につけた知識やスキル、強みを洗い出しましょう。
監査法人を目指す就職活動の詳細は、下記記事をご確認ください。
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3年間の実務経験(業務補助・実務従事)を積む
公認会計士登録には、3年間の実務経験を積む必要があります。
実務経験は「業務補助」と「実務従事」の2種類に分かれ、それぞれの基準は、以下の通りです。
業務補助
公認会計士が経営・所属する事務所で、監査証明業務に関して公認会計士又は監査法人の補助を行います。
実務従事
以下のような、財務に関する監査・分析、その他の実務に従事します。
- ・国や地方自治体で「資本金5億円以上の法人の会計」に関する検査・監査、国税調査・検査の事務
- ・金融機関や保険会社で、貸付・債務の保証やそれに関連する資金の運用事務
- ・資本金5億円以上の法人で、原価計算や財務分析に関する事務
約9割の人は、監査法人で業務補助の経験を積みますが、業務を行った期間については、試験合格前後どちらでも認められます。
3年間の実務補習を受講する
公認会計士登録には、3年間の実務補習を受け、所定の単位を取得する必要があります。
全国各地の補習所・補習支所で「会計」「税務」「監査」「法規・職業倫理」「経営・IT」に関する講義を受講します。
実務補習は、3年間のカリキュラムが組まれ、1年目は週1~2日、2年目は月1回程度、3年目はeラーニングが主体となり、年数が進むにつれて受講負担が軽減されていきます。
講義は平日夜や土日に行われるため、監査法人で働きながら講義に参加する方法が一般的です。
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修了考査に合格する
実務補習で必要な単位を獲得した後は、修了考査に挑みましょう。
修了考査は、年に1回(令和7年は12月13日・14日)実施され、実務補習で学んだ5つの内容が出題されます。
令和6年の修了考査における受験者は1,800人、合格者は1,388人で、対受験者数合格率は77.1%です。
令和5年は76.4%、令和4年は69.6%、令和3年は64.6%、令和2年は49.5%と、直近5年は増加傾向ですが、決して難易度が低い試験ではありません。
監査法人に勤務している場合は、試験準備のために10日間程度の休暇が与えられることが一般的ですが、有給休暇も利用してしっかり試験準備を行うことも、確実に合格する手段の一つでしょう。
参考:令和7年度修了考査受験案内|公認会計士・監査審査会
開業登録を行う
全ての要件を満たし、開業登録をすることで、正式に公認会計士として働くことができます。
日本公認会計士協会(JICPA)へ必要書類の提出と費用の支払いを行いましょう。
不備がなければ1週間程度で登録完了通知が届きます。
必要書類には「勤務証明書」「財務局長名での業務補助などの報告書受理番号が記された通知書のコピー」など、勤務先での対応が必要なものもあるため、計画的に手続きを進めましょう。
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公認会計士試験合格者向け求人例
弊社MS-Japanは、公認会計士をはじめとする士業と、経理を含む管理部門に特化した転職エージェントとして35年以上の実績があります。
ここでは、MS-Japanが取り扱っている公認会計士試験合格後向けの求人を一部ご紹介します。
監査法人にて公認会計士(試験合格を含む)の募集
仕事内容 |
・上場企業等の財務書類の監査証明業務 ・未公開企業の株式公開サポート業務 ・その他会社・学校法人・非営利法人等財務に関する調査、立案、相談業務 ・国際会計業務 |
必要な経験・能力 |
公認会計士(試験合格者を含む) |
想定年収 |
700万円 ~ 900万円 |
少数精鋭監査法人から公認会計士または試験合格者の募集
仕事内容 |
・監査業務 (金融商品取引法監査、会社法監査、公法人・公益法人の監査、労働組合の監査など) ・株式上場支援 (監査ショートレビュー、株式上場を目的とした財務書類の調製、財務関連調査など) ・内部統制構築支援 (内部統制に関する調査や立案、内部統制に関する相談) |
必要な経験・能力 |
・公認会計士もしくは試験合格者 ・監査経験者 |
想定年収 |
766万円 ~ 1,164万円 |
公認会計士試験に不合格だった場合は?
不合格となった場合は、次回以降に再度受験するか、就職・転職をするか、選択肢は2つです。
就職・転職を目指す場合、試験不合格がどのように評価されるのか、不安に思う方も多いでしょう。
社会人経験がある場合は、公認会計士試験受験までに培った知識と社会人経験が評価され、大手企業の経理部門などで採用される事例は数多くあります。
また、大学や大学院在籍中に受験していた場合や、既卒3年以内であれば、第二新卒枠としてポテンシャル採用される可能性も高いでしょう。
近年、転職者が有利な売り手市場が続いていることから、公認会計士としてのキャリアを諦めた場合でも、一般企業の経理・財務部門や会計事務所など、会計分野の転職市場で一定の評価を得ることができるでしょう。
ただし、特に一般企業の場合、会計知識だけをアピールしてしまうと逆効果につながる可能性もあります。
会計知識のアピールは、公認会計士試験に何度か挑戦した経験を伝えれば十分だと言えるでしょう。
それ以上のアピールは過剰な印象を与えます。
経理担当者として組織の中で働く適性を示すために、チームの和を重視して、コミュニケーションを積極的に取れる人材であることを示すエピソードを用意しましょう。
公認会計士試験受験者のキャリアはMS-Japanがサポート!
公認会計士になるためには、試験の突破だけでなく、実務経験や修了考査に合格といった、難易度が高い登録要件を全て満たす必要があります。
決して楽な道のりではありませんが、それまでの努力は確実にスキルアップ・キャリアアップにつながります。
試験の合格・不合格に関わらず、将来のキャリアについて早めに準備するに越したことはありません。
弊社MS-Japanは、公認会計士をはじめとする士業と、経理や経営企画などを含む管理部門に特化したエージェントとして35年以上の実績があります。
公認会計士向け求人はもちろん、一般企業や会計事務所など、公認会計士試験受験者を対象とした求人も多数取り扱っています。
「試験後のキャリアを事前に考えておきたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。
会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?
公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。
公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?
外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。
公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?
公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。
公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?
公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。
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