2024年10月07日

公認会計士になる難易度は高い?実際の合格率と試験対策を徹底解説!

公認会計士の資格は医師や弁護士と同じ国家資格です。公認会計士試験は学歴や年齢、国籍を問わず誰でも受験できる資格ですが、これから公認会計士を目指す方にとっては、試験の難易度がどの程度なのか気になるところでしょう。

この記事では、公認会計士試験の難易度や合格する上で押さえておきたいポイント、合格後のキャリアなどを紹介します。

公認会計士になるための難易度は?

公認会計士の試験は、数ある資格の中でもかなり難易度が高いのが特徴です。公認会計士は、企業や団体の経営に関わる重要な役割を果たす責任の高い仕事ですので、必然的に難易度は高くなります。

公認会計士の試験は、短答式(マークシート方式)と論文式の2段階の試験で、短答式試験に合格しなければ論文式試験を受けられません

短答式試験の正解率は70%以上が必要なので、そうした意味からもかなり難易度の高い試験とされています。

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公認会計士試験の受験ハードルは高くない?

公認会計士の試験は、財務会計や監査、租税法など幅広い知識が求められる資格ですが、受験のハードルはそこまで高くありません。なぜなら、公認会計士試験は年齢や学歴に関係なく誰でも受験可能で、社会人だけでなく大学生や中高生、小学生でも受験可能だからです。

合格率が低く難解な試験ではありますが、試験を受ける上でのハードルは低いので受けやすい試験と言えるでしょう。

公認会計士の試験の合格率は10%!?

公認会計士の試験の合格率はかなりの低水準で、合格率は平均で10%と低い数値で推移しています。

過去6年間の合格率を含めた、受験者データは以下の通りです。

年度 出願者数 合格者数 合格率
2023年 20,317人 1,544人 7.6%
2022年 18,789人 1,456人 7.7%
2021年 14,192人 1,360人 9.6%
2020年 13,231人 1,335人 10.10%
2019年 12,532人 1,337人 10.70%
2018年 11,742人 1,305人 11.10%

2023年には出願者が2万人を超えていて、受験者は年々増加しています。それと合わせて合格率は2020年に10.10%だったのが、現在では7.6%と年々低くなっていることがわかりました。

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公認会計士の難易度が高いと言われている理由は?

公認会計士の難易度が高いと言われている理由に関しては、以下の2つの理由があります。

公認会計士試験は勉強する範囲が広い
勉強時間が最低でも1年以上必要

これらの理由について、詳しく解説していきましょう。

理由①公認会計士試験は勉強する範囲が広い

公認会計士の試験は勉強する範囲が広く、合格するには幅広い分野の知識を取得しなければなりません。主な試験範囲は、以下の通りになります。

  • ・財務会計
  • ・複式簿記
  • ・企業会計制度
  • ・資産会計総論
  • ・流動資産
  • ・固定資産
  • ・負債
  • ・繰延資産と引当金
  • ・純資産
  • ・財務表
  • ・金融商品
  • ・リース
  • ・ストック・オプション
  • ・退職給付

参照:公認会計士・監査審査会[]令和6年公認会計士試験の出題範囲の要旨について

これらの分野に関してかなり高度な知識が要求されますので、対策にはかなりの時間と労力が必要です。

試験内容も難解な問題が多く、実務に即した問題も含まれているので、テキストの内容を学習するだけでなく総合的な思考力も問われます。

理由②勉強時間が最低でも1年以上必要

難易度が高い公認会計士の試験は、試験までの勉強時間は最低でも1年以上は確保する必要があります。合格率も10%前後とかなり難関の試験ですので、合格するには最低でも3,500時間程の勉強時間が必要です。

国家資格でも最難関に位置する資格ですので、しっかりと計画を立てて試験までの勉強スケジュールを作る必要があります。

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難易度の高い公認会計士試験を突破するメリット3選!

公認会計士の試験は、合格率が10%前後とかなり難易度の高い試験ですが、試験を突破して資格を得れば以下のメリットがあります。

  • ・年収が高い
  • ・社会的信頼度が高い
  • ・景気に左右されず安定している

いずれも魅力的なメリットですが、これら3つのメリットに関して詳しく解説していきましょう。

メリット①年収が高い

公認会計士の仕事は社会的信頼の高い仕事ですので、年収も他の仕事に比べると高めです。

厚生労働省のホームページによると、令和5年度の公認会計士の平均年収は746.7万円となっており、年収は高く安定した給料が見込めます。都道府県別に年収は異なり、下はおよそ360万円、上は800万円とかなり差があるのも特徴です。

年齢別の年収を見ても、50歳から54歳の方の平均年収が930.42万円と最も多く、男女問わず勤続年数が長くなれば年収も上がっていきます。そうした意味でも、公認会計士は魅力的で働きやすい仕事です。

メリット②社会的信頼度が高い

公認会計士の仕事は企業の財務や法令の監査の仕事をするので、社会的信頼度はかなり高い仕事です。資格試験の合格も、弁護士や医師に次ぐ難しさを誇るため、資格そのものの価値も高く、転職時などにも大きなアドバンテージになります。

企業や社会の健全化に大きく貢献できる仕事ですので、大変ではありますがやりがいのある仕事です。少しでも社会的信頼度の高い仕事をしたいと思ったら、公認会計士の仕事はうってつけと言えるでしょう。

メリット③景気に左右されず安定している

公認会計士の仕事は、企業の財務管理や法令に関わる仕事ですので、景気に左右されることなく常に必要とされる仕事です。公認会計士には財務諸表監査という独占業務がありますので、代わりのきかない仕事として安定性の高い仕事と言えます。

財務諸表監査の仕事は、上場企業にとって必ずやらなければならない仕事ですので、景気に関係なく常に安定した需要があるのが公認会計士の特徴です。

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公認会計士の難易度の高い試験を突破した後のキャリアパスとは?

難易度の高い公認会計士の試験を突破したら、その後はどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?実は公認会計士の試験に合格しても、すぐに公認会計士として働ける訳ではありません。

試験に合格してから会計士を名乗るためには公認会計士登録が必要であり、以下の条件をクリアする必要があります。

1.実務経験を積むために監査法人で3年間の業務補助などの実務経験
2.3年間実務補修所に通う
3.実務補修所の卒業試験に通過

試験に合格した会計士は、実務経験のために監査法人に就職するケースがほとんどです。監査法人に就職する際の就職活動期間は、試験の合格発表から2週間前後なので、就職活動は短期決戦で挑まなければなりません。

実務補修とは、JFAEX(会計教育研修機構)という組織が行っている研修で、東京・東海・近畿・九州にある研修所かeラーニングで3年間講義を受け、単位を取得します。

単位取得後、修了考査と呼ばれる卒業試験を受講し、合格すれば公認会計士として登録が可能です。修了考査の合格率は平均70%で、不合格の場合はさらに1年間研修を受講して、再度試験に挑まなければなりません。

このように、正式な公認会計士として登録するまでには、実務経験と研修が必要なため、最低3年間かかります。

現在の公認会計士業界は売り手市場の傾向に

現在公認会計士の業界は、公認会計士試験の合格率の低下や人手不足も相まって、売り手市場の傾向にあります。近年は、大手監査法人も業務の増加で新規受注を制限していたり、人手不足も相まって公認会計士試験合格者以外の採用を行っている場合もあります。

公認会計士そのものの人数は増えていますが、よほど大きな景気の変動がない限り、今後も売り手市場の現状は変わらないでしょう。

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公認会計士試験で押さえておきたいポイント3選!

公認会計士試験で押さえておきたいポイント3選!難関の公認会計士試験に合格するために、必ず押さえておくべきポイントは、以下の3つです。

1.スケジュールを立て、必要な勉強時間を確保する
2.苦手分野を克服する
3.過去問や模試に取り組む

これらの点について、以下で詳しく解説していきましょう。

①スケジュールを立て、必要な勉強時間を確保する

公認会計士の試験は、科目ごとに多くの知識が要求されるので、学習計画の立て方が重要です。まずは試験日から逆算して、自分に合った勉強スケジュールを作成してください。

それぞれの科目ごとに、どのくらいの時間が必要かを把握して、毎日の勉強時間を確保しましょう。そのためには、仕事やプライベートなど、他のスケジュールも考慮する必要があります。自分に合ったペースで勉強を進め、計画的に勉強を進めていきましょう

②苦手分野を克服する

公認会計士の試験は、1科目でも合格点に満たなかったら、不合格になってしまいます。そのため、複数の科目をバランス良く勉強するのが大切です。

もし苦手分野があれば、基礎知識をしっかり勉強し、理解できるまで反復練習を行うようにしてください。自分でまとめたノートや参考書を使用し、自分なりに理解できるように努めていきましょう。

苦手分野を克服することは、試験に合格する上で欠かせないステップです。

③過去問や模試に取り組む

長い勉強期間の中で自分の実力を計るには、試験の過去問題や模擬試験をこなすのが有効です。過去問題や模擬試験に取り組めば、自分の実力や苦手としている科目を把握でき、出題の傾向や範囲を理解するのにも役立ちます。

また、試験の時間配分がシュミレーションできますので、本番に向けた心構えを整えやすくなります。

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公認会計士の難易度に関するFAQ

ここからは、公認会計士の難易度や詳細に関する質問について回答していきます。公認会計士の仕事についてやどんな人が向いているかなど、色々気になる方は多いのではないでしょうか?

公認会計士の仕事や資格の詳細について気になることがあったら、ぜひこちらを参考にしてください。

公認会計士を目指した理由は?

公認会計士の資格は、弁護士や医者と同様に高度で幅広い専門知識が必要なので、社会的信頼も高い仕事です。そのため、将来に繋がってかつ安定した高収入を得られるのが理由で、公認会計士を目指す人は多くいます。

他にも社会の役に立ちたいと思ったり、女性の場合は出産・育児から復帰しても働ける強みがあることから、公認会計士を目指す方も多いです。

公認会計士になったら何ができる?

公認会計士はスペシャリストとして企業の会計監査を行うことが主な仕事です。公認会計士には独占業務があって、財務書類の監査や内容証明ができます。

公認会計士は、専門知識を活かして監査書類の内容が正しいかどうかを証明する役割があり、情報の信頼性を高める役割を持つ仕事です。

企業の財務状況の信頼性を担保するだけでなく、監査や会計の知識を活かして、会計分野のあらゆる立場で活躍できます。監査業務以外にも会計アドバイザリーとして活躍したり、英語のスキルを活かしてグローバルに活躍したりと、その可能性は豊富です。

公認会計士はどんな人が向いている?

公認会計士は企業の監査業務を行い、財務表の信頼を担保することが認められているので、真面目で正義感が強い人が向いています。また数字と常に向き合う仕事ですので、数字が得意でなければなりません。

他にも、客観的かつ論理的に考えられる、ロジカルシンキングができる方も公認会計士に向いています。

公認会計士を受ける年齢に制限はある?

公認会計士の試験はかなり難易度の高い試験ではありますが、試験を受けるには年齢制限はありません。年齢・性別・国籍・学歴を問わず受験ができるので、10代で職業経験が無い方でも受験可能です。

一度不合格になっても何度も受けられますので、いつでも挑戦ができます。

公認会計士と税理士はどっちが稼げる?

公認会計士と税理士でどちらが稼げるのかは、営業能力やスキルなどで差が出てくるので一概には言えません。しかし公認会計士の独占業務である会計監査は報酬も高いため、若くして高年収を実現することも可能です。

税理士の平均年収は700万万円前後なのに対し、公認会計士は平均で800万円〜1,000万円で、独立開業すれば1,000万円以上の年収を稼ぐことも可能です。

公認会計士は専門性の高さとスキル、営業力を磨くことでそれ以上の年収を稼ぐのも夢ではありません。

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まとめ

公認会計士の資格は、数ある資格の中でも最難関の試験として位置付けられていて、難易度はかなり高いです。しかし最難関の会計資格であるからこそ、業種・規模に関係なく高いニーズがあるので、キャリアパスの選択肢が幅広いのが特徴です。

公認会計士を目指す人は、試験日時から逆算したスケジュールを計画し、しっかりと準備する必要があります。難易度にひるむことなく、試験突破のポイントを押さえながら、合格への道のりを進んでいただけたらと思います。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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