2023年10月24日

独立系FASとは?Big4系FASとの違いや特徴について解説!

FAS業界への転職を考える際、大きく分けてBig4系と独立系の二つの選択肢がありますが、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。
Big4系は国際的な大手会計事務所のメンバーファームであり、そこでのキャリアは業界の高い評価へとつながっていきます。
一方、独立系FASは短期間で幅広い経験を積むことができるほか、経営感覚も身に付けられるなどのメリットを期待できます。
この記事では、Big4系と独立系FASとの違いや特徴について解説していきますので、是非今後のキャリア選択にお役立てください。

FAS業界の構造

FAS業界は、大きく 「BIG4」「独立系」「税理士事務所系」の三つに分類されます。
それぞれの特徴と違いについて、以下にご紹介します。

BIG4系

BIG4とは、世界中でサービスを展開しているアーンスト・ヤング(EY)デロイトKPMGPwCの総称であり、これらのメンバーファームをBIG4系といいます。
突出したコンサルティング能力と実績を兼ね備えており、ニュースで大々的に取り上げられるような国内外の大手企業のM&A、組織再編、企業再生などの案件を受け持ちます。
これらの案件は1案件あたり数億円、案件によっては数十億円規模のアドバイザリーフィーであることも珍しくありません。
また、世界各国にメンバーファームが所在しているため、国内企業が海外企業を、海外企業が国内企業を買収するようなクロスボーダー案件の対応も得意としています。

独立系

独立系とは、BIG4系に属していない国内ファームという意味での呼び名です。
FAS事業を中心としている国内ファームであり、山田コンサルティンググループフロンティア・マネジメントなどが有名です。
BIG4系がカバーしきれない小〜中規模の案件を中心に取り扱っており、年商1億円未満から500億円程度までの企業の案件を受けることが多いです。
日本には中小企業が多いため、自ずとカバー範囲が広くなることから、対応スタイルも多岐に渡っており、特定のトランザクションや会計領域に特化したサービスも提供しています。
クライアントの経営者と直に接することも多いので、説明の分かりやすさや人当たりの良さなども重要とされています。

税理士事務所系

独立した公認会計士や税理士が運営する会計事務所でFAS業務を行っているケースもあります。
FAS業務の提供先は主に顧問先であり、付帯的なサービスという性質も持っているため、比較的リーズナブルな価格でサービスを提供することも多いです。

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独立系FASとは?

独立系FASは、BIG4のメンバーファームに属さない国内ファームのことをいいます。

独立系FASの多くは少数精鋭体制をとっており、中小企業を主なクライアントとして、M&Aや企業再生などそれぞれのファームが強みを持っている特定の領域へのサービスを提供しています。
クライアントとの距離が近いので、キャリアが浅くてもコミュニケーションや提案業務に参加できる機会を得やすく、案件の全体像と流れが把握できることから、幅広い経験を積める点が独立系FASの特徴のひとつといえます。
BIG4系の場合にはクライアントとの折衝はマネージャーやパートナーなどが担当し、キャリアの浅いスタッフは細分化された業務の一部を担うのみ、といったケースも少なくないので、独立系FASを選んだほうがキャリアの幅を広げやすく、早期の成長を図りやすいといえるでしょう。
クライアントの課題解決に向けたIPO支援やIFRS対応なども含めた一気通貫のコンサルティングを提供できるのも独立系FASの特徴です。
BIG4系は分業が基本となっているため、クライアントの視点からすると、独立系FASのほうがコスト効率良く、提案内容にもブレが少なくなるなど、スムーズにサービスを利用できると映ります。
このような独立系FASでのキャリアは、経営的目線を身に付けられるのも魅力です。
クライアントの意向を直接聞きながら、幅広い範囲の業務に携わることができるので、経営的視点も養われていきます。
この経営的視点は、よりクライアントに寄り添ったコンサルティングを行うための武器となりますので、さらなるレベルアップへとつながっていきます。

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独立系FASとBig4系FASの違い

独立系FASとBig4系FASの違い

独立系FASとBig4系FASの違いについて、以下にまとめます。

クライアント

独立系FAS の場合には年商1億円未満から500億円程度までの中小企業が主なクライアントである一方、Big4系FASのクライアントは大手企業や上場企業が中心となります。

案件の規模

独立系FASが取り扱う案件は、Big4系FASがカバーしきれない中型・小型の規模の案件がメインとなります。
Big4系FASではニュースで大々的に取り上げられるようなM&A、企業再生などの大型案件のほか、国内外で生じるクロスボーダー案件など、アドバイザリーフィーが数億円から数十億円に上る規模の案件を取り扱っています。

クライアントとの関わり方

独立系FASは中小企業の経営者と直に接する機会が多く、財務に明るくないクライアントも多いため、説明のわかりやすさやコミュニケーション能力をはじめとする人間力が重視されます。
Big4系FASのクライアントは大手企業や上場企業が中心であり、それらの幹部ともなれば十分な会計・財務知識も備えているため、明確なバリュー発揮が求められます。

業務の特徴

独立系FASのクライアントは規模が小さいため、定型的に論点をまとめるスタイルや工数をかけて全容把握から結論を導くスタイルが多く、特定のトランザクションや会計領域に特化してサービスを提供している会社もあります。
Big4系FAS は収益性の高いM&A関連サービスを主としているケースが多く見られ、総合的なディールサポートや財務デュー・ディリジェンスなどを行っています。

採用基準

独立系FASはコミュニケーション能力をはじめとする人間力も現場で問われることから、異業種や未経験からも広く採用しています。
昨今の人手不足からこの傾向が強まっており、未経験でFAS業界への転職を狙う人にとって追い風となっています。
Big4系FASは求められる能力の水準が高いため、高学歴で順調なキャリアを重ねてきた方が多く在籍しているので、自ずと入社のハードルも高まります。
ビジネスレベルの英語力をお持ちの方や、公認会計士、税理士、MBAなどの資格を取得していると、より採用されやすくなります。

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独立系FASは稼げる?

独立系FASの平均年収は800万円~2,000万円となっており、かなりの幅があります。
独立系FASはBIG4系ではないファームであると、括りが大きいため、企業によって取り扱う案件の規模や提供するサービス内容なども異なっていることから、これだけの年収差が生じていると考えられます。

また、BIG4系FASのパートナーを除く平均年収は約1,100万円となっており、独立系FASの平均年収と比較すると少し劣ります。
この理由として、BIG4系FASには在籍しているスタッフの数が多い一方、独立系FASは少数精鋭の体制となっていることから、BIG4系FASが規模の大きな業務を取り扱っていてもコンサルタント一人当たりの利益率は独立系FASのそれを下回ることが年収差に反映されている点が挙げられます。
分業が基本となっており、業務が細分化されているBIG4系FASとは異なり、クライアントとなる企業に向けてワンストップ型のFASサービスを展開している独立系FASの場合、高いスキルと専門知識を幅広く持つコンサルタントが育ちやすいのも年収差の原因のひとつといえます。
ひとりのコンサルタントが対応できる業務範囲が広ければ、コンサルタント一人当たりの利益率が高まり、高年収の実現へとつながりやすくなるためです。
独立系FASの平均年収は800万円~2,000万円となっていますが、この数字も日本の平均年収である約433万円を大きく上回っているので、独立系FASは稼ぎの良い勤務先であるといえます。

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まとめ

独立系FASとBig4系FASは、クライアント、案件の規模、クライアントとの関わり方、業務の特徴、採用基準などが異なっており、それぞれの住み分けができているため、キャリアパスを考える上でも重要な判断材料にできます。
規模の大きな案件の一部をメンバーのひとりとして担うBig4系FASでのキャリアも魅力的ですが、早い段階で幅広い専門性を身に付けることができ、Big4系FAS以上の年収も目指せる独立系FASでのキャリアも十分に魅力的です。
ご自身がどのような専門性を持っており、コンサルタントとしてどのように成長していきたいのかをイメージしながら、上記を参考に今後のキャリアパスについて熟考してみると、より自分に合ったキャリアを選べるようになります。
この機会に今後のビジョンを描き直してみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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