上場企業の法務を目指すには?求められる会社法スキルとキャリア戦略(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、上場企業法務の役割や、中小企業法務との違い、さらに上場企業で求められる会社法・ガバナンス対応などの専門性について解説しました。
特に、「攻めの法務」として事業成長を支える視点や、J-SOX・コーポレートガバナンス・コードなどの理解が、転職を目指す際の重要な土台となることを紹介しています。
後編では、転職市場で評価される上場企業法務の実務経験や、年代別のキャリア戦略、市場価値の高め方について詳しく解説します。
転職市場で評価される上場企業法務経験
上場企業への転職を目指す上で、転職市場で高く評価されるのは「専門性と実績」です。
ただ単に「法務経験があります」とアピールする言うだけでは不十分で、特に以下の実務経験が重視されます。
未上場企業でのIPO準備経験の評価
未上場企業でのIPO準備経験は、上場企業法務への転職において極めて高く評価されるポイントです。
特に以下の業務経験がプラスに働きます。
・監査法人、証券会社との交渉・対応: 上場審査における法務関連の対応や、専門家との折衝経験は、上場企業でも通用する実践的なスキルの証明となります。
・主体的なプロジェクト推進: 「一人法務でIPOプロジェクトを推進していた」ような経験は、主体性と総合力の面で大きな評価対象となります。
求人票の裏側:企業が求める人物像
求人票に記載されたスキル要件はあくまで基本的な要素“建前”であり、実際には「即戦力として活躍できるか」「組織に馴染み、柔軟に対応できるか」が重視される傾向にあります。
求められる人物像
・「NOではなくHOWを提案できる」柔軟性: 契約審査スキルを有しつつも、事業側の要望を理解し、「こうすればリスクが下がる」といった建設的な提案ができることが重要です。
・コミュニケーション能力: 法務以外の部署(営業、経営企画等)との円滑な連携力は、組織の中でスムーズに業務を進める上で不可欠な要素です。
年代別キャリア戦略(20代・30代)
年代別キャリア戦略(20代・30代)
結論として、20代と30代では、転職市場でのアピールポイントと戦略が異なります。
20代のキャリア戦略
ポテンシャル重視の採用も多いため、現時点での専門性よりも、「基礎+汎用性」をアピールすることが重要です。
まずは規模の小さな上場企業や、成長段階にある企業で幅広い業務に携わり、実務経験を積みましょう。
将来的には、より大きな企業へのステップアップも視野に入れたキャリアプランを立てることができます。
30代のキャリア戦略
即戦力として、これまでの経験を専門性という軸でアピールすることが求められます。
IPO経験や管理職経験があれば大きなアドバンテージになります。
これまでのキャリアで培った専門分野(例:M&A法務、コンプライアンス、ガバナンス)を明確にし、そのスキルを最大限に活かせる企業を選定しましょう。
市場価値の把握方法
自身の市場価値を客観的に把握するために、転職エージェントの活用をおすすめします。
MS-Japanでは、キャリアカウンセリングを通じて、あなたのスキルを棚卸しし、市場での立ち位置を明確にするお手伝いをしています。
まとめ
上場企業への法務職転職は、単なるキャリアアップ以上の意義と効果をもたらします。
上場企業法務は、企業の成長に直結する重要な役割を担うため、より高度で専門的なスキルを習得できます。
本記事で紹介したように、法務としてのスキルと、事業を理解するビジネス視点を磨くことで、キャリアパスを確立し、市場価値を大きく高めることが可能です。
もし、あなたのこれまでの経験をさらに活かし、法務としてのキャリアを次のステージに進めたいと考えているなら、ぜひ上場企業法務への転職を検討してみてください。
- #上場企業
- #法務
- #会社法
この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として従事。全国各地で販売業務や新規店舗の教育係を経てMS-Japanへ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして経理・人事・総務を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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