2024年07月25日

公認会計士試験の不合格者は就職・転職市場から歓迎されるのか?

2024年の公認会計士試験の合格発表は11月15日(金)に実施されます。
試験結果をもとに、来年度の公認会計士試験でリベンジを試みる方、就職・転職を考える方など、今後の進路は様々かと思いますが、実際にこれから就職・転職を選んだ場合はどのようなキャリアがあるのでしょうか。
現在の就職・転職市場の状況と照らし合わせて解説をさせて頂きたいと思います。

この記事のまとめ

・売り手市場が続いているので、不合格後でも就職・転職は難しくない

・採用を急いでいる企業や事務所にとっては、「会計知識」を持ち、「早期入社」できる人材は魅力的

・自身の将来をどのように発展させていくかという“考え方の軸”を定めておくと良いでしょう

新卒・第二新卒の場合

大学及び大学院に在籍しながら公認会計士試験を受験していた方、また既卒3年以内の第二新卒層に関しては、就職において特に問題はないでしょう。現在の就職市場に関してはニュースや新聞でも報じられているように、売り手市場が続いていますので、若手で簿記や会計の知識を有する方であれば就職することは然程難しくありません。

但し、大手商社やグローバル企業、メガバンク等、採用倍率が高い企業に関しては、採用の門戸は開いていても、実際に内定を勝ち取ることは容易ではありません。また、配属先の決定は現場のニーズ優先になるケースも少なくありません。大手企業の新卒枠や第二新卒枠を考えた場合は、あくまで総合職扱いになることが想定されるため、その企業ではどのようなキャリア形成が可能なのか、しっかりと情報収集をしてから応募をすることをお勧めします。

一方、新興上場企業やIPO準備企業等、組織の拡大が著しい環境においては、会計知識に富んだ若手人材を採用することに苦戦しているケースも多く、業務未経験でも経理や財務のスタッフ職で採用される可能性は十分あるようです。
また、あくまで会計を中心にコンサルティングやアドバイス業を行っていきたいという方であれば、経理アウトソーシング会社(シェアド会社含む)、会計事務所・税理士法人、財務系のコンサルティング会社など、会計をメインとした会社でも若手ポテンシャル層向けの採用活動が行われていますので、チャレンジする価値はあるかと思います。

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社会人としてのキャリアをお持ちの場合

次に社会人経験のあるキャリア採用の分野について解説します。
まず、社会人経験の内容が企業での経理・財務など、もともと会計を軸としたキャリアの方は、公認会計士試験の受験勉強に専念をしていた期間があっても、再び企業(大手含む)に就職できる可能性が高いです。
特に、現在の転職市場を見ると、一般事業会社の管理部門にて積極的な採用活動が行われていますので、上場企業の経理部門、内部監査部門、支店経理、工場経理など会計をメインとした部門やポジションで採用される可能性が高いと言えます。

また、上場企業のみならず、IPO準備企業のようなベンチャー企業においても経営管理体制の強化に取り組んでいる会社が増えていますので、経理スタッフから入り将来の経理マネジャーを目指す、場合によってはIPO準備室のメインメンバーとして活躍し、将来はCFOへ昇格というキャリアパスも十分考えられます。
あくまでコンサルタントやアドバイザー的な立場で働きたいという方であれば、決算の早期化や効率化を得意とするような会計コンサルティング会社や、企業の買収・売却を支援するようなM&Aファーム、その他、事業再生コンサルティング会社などの道が開けていると言って良いでしょう。

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就職・転職活動を行う際の注意点

上記の通り、現在の就職・転職市場の状態は良好ですので、資格の合否に関わらず内定を勝ち取ることは出来るでしょう。特に直近で公認会計士試験に専念をされていた方であれば、離職中の状態かと思いますので、早期入社が可能という武器を持ち合わせていると言えます。
従って、採用を急いでいる企業や事務所からすれば、

  • ①会計知識を持ち合わせている
  • ②早期入社が可能である

という点は魅力的に映るため、人柄・人物像が悪くなければスピーディに内定を出すケースも少なくないのです。
内定が早期に出ること自体は悪いことではないですが、自分自身の方向性、将来のキャリアイメージ、行きたい業界の研究などが進んでいない場合は、いざ内定が出た時に的確な判断が出来ず、結果として選考時の印象・心象を頼りに入社するかを決めざるを得ない、という結果になることも少なくありません。

そのため、これから就職・転職活動を行う前に、今まで蓄えてきた知識をどのように活かしていくか、自身の将来をどのように発展させていくかという“考え方の軸”を定めておくと良いでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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