2024年12月25日

公認会計士が転職先を選ぶなら?目的ごとに人気の転職先や失敗しないやり方を紹介

公認会計士資格を取得した後の転職先は、監査法人が一般的です。
しかし、昨今では監査法人以外にも様々なキャリアプランが存在しており、転職の目的によって選択することが可能です。

今回は、転職をお考えの公認会計士へ向けて、目的に合わせたおすすめの転職先を紹介していきます。

幅広いスキルを身に付けたい方は「コンサル」がおすすめ

転職先が監査法人の場合、基本的に会計監査関連業務が業務の大半を占めます。
特に大手監査法人になるとグループ内で業務の棲み分けがあるため、監査業務以外の幅広い業務に携わることができないケースも少なくありません。
企業財務に関する幅広いスキルを身に付けたい場合、国内系FASなどのコンサルが有力な選択肢となってきます。

FASとは「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス」の頭文字を取った言葉で、財務に関する専門的なアドバイスを行うサービスのことです。
FASにおいて最もニーズが大きく、提供されているサービス量も多いのがM&A業務における「財務DD(デューデリジェンス)」と「バリュエーション」と言われています。

財務DDとはM&Aに関わる業務の一つで、企業を買収または売却する際に、対象となる企業の財務リスク検討すべき点を洗い出す作業のことを指します。
買収・売却する企業の収益力や財政状態を事前に把握することで、より効果的なM&Aを行おうとするのがその目的です。
またバリュエーションは日本語訳では「企業価値評価」と呼ばれ、M&Aなどを行う際に投資対象の価値を分析することを指し、いずれの業務においても会計の専門家である公認会計士が活躍しやすい分野であるといえます。

FAS部門でスキルを磨いた後、事業会社への転職や独立されるケースもあり、自らの市場価値を高めキャリアの幅を広げていくために有効な選択肢といえるでしょう。

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ワークライフバランス重視の方は「一般企業の経理」がおすすめ

特に大手の監査法人ではバウチング(各種資料間の一致をチェックする作業)などの作業が多く、残業続きとなることも珍しくありません。
仕事続きで家族との時間や自分の趣味に時間が取れず、ワークライフバランスを両立させたいと考える監査法人の公認会計士もいます。

監査法人より比較的ワークライフバランスが取れ、会計領域でのキャリアを希望する場合の転職先として選ぶのが、一般企業の経理です。
もちろん事業会社でも残業が発生することはあり、上場企業などでは四半期毎に忙しさの波が発生したりしますが、大手監査法人などに比べるとはるかに少ないと言えます。

給与額が多少下がったとしても仕事以外の時間を確保したいと考え、より長期就業が叶う環境を求め監査法人から一般企業の経理へと転職する事例は多いです。

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裁量を持って進めたい方は「一般企業の経営企画」がおすすめ

より大きな裁量で自分のスキルを試してみたいという方には、一般企業会社の経営企画などに転職するという方法があります。

経営企画とは会社経営の「かじ取り役」であり、経営計画の立案・管理経営戦略の立案・実行経営会議の運営などを担う部門です。
経営企画の場では財務分析、M&Aに関する知識・スキルが求められ、会計の専門家である公認会計士は重宝されます。企業の経営層に関与するだけに、待遇面は良好です。

ただし、経営企画に転職するには、財務・会計の知識に加えて、経済マーケティングなど幅広い知識と実務経験が求められます。

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現在と異なる規模の「監査法人」への転職で環境を変える手も

公認会計士の独占業務である監査を極めたいものの、現状に不満がある人は、他の監査法人に転職するのも手法の一つです。
監査法人は、大手(Big4)、準大手~中堅、中小に分けられており、基本的には異なる規模の監査法人に転職する人が多い傾向があります。

監査法人から監査法人へ転職する場合の一般的なケースは、大手監査法人から中小監査法人への転職です。
大手監査法人は分業制となり、担当している範囲外の経験を積む機会が少ない傾向があるため、より横断的に経験を積みたい方は中小規模の監査法人が有力な選択肢といえます。
また、比較的業務や働き方に裁量がゆだねられるため、ワークライフバランスを両立させやすい点も魅力です。

中小監査法人で働いており、最先端の環境で監査経験を磨きたい場合は、大手監査法人へ転職すると良いでしょう。
クライアントは商社、メーカー、金融機関をはじめとした大手企業が多く、大きなやりがいを得られることが特徴です。

ただし、大手監査法人への転職は、なるべく早く挑戦することをおすすめします。
年齢が高い分、監査経験だけでなく、マネジメントなど他のスキルも求められることから、転職のハードルが高くなるためです。

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自分に合った転職先を見つけるには

公認会計士の転職先は、キャリアパスを考慮したうえで慎重に決める必要があります。
そこで、自分にあった転職先を探す際のポイントや注意点を解説します。

転職の目的・理由を整理する

まず、自分の転職動機や理由について事前に整理することが重要です。
たとえば「理想的な年収」「残業が少ないから働きやすそう」といった目先の魅力を重視して転職先を選ぶと、場合によっては数年後に「別の道を歩めば良かった」と後悔する可能性もあります。

公認会計士としてどのようなキャリアを歩みたいのか、まずはじっくり考えましょう。
中長期的な視点で、自身のキャリアパスに合った転職先を見つけることが、後悔のない選択につながります。

スキルや自分のできることを洗い出す

これまでの経験や身につけたスキルを客観的に把握し、自分ができることを具体的に確認しましょう。
キャリアの棚卸しを行い、転職市場において自分の市場価値を理解することが、自信をもって転職先を選ぶ際の助けになります。
紙に書き出して視覚化するのも効果的です。自身のキャリアを客観的に見つめ直し、将来の方向性を確認できます。

公認会計士の転職に特化したエージェントを活用する

志望動機の整理やキャリアの棚卸しをする中で、少しでも不安に感じた場合は転職エージェントに相談すると良いでしょう。
特に、公認会計士の転職を専門的に扱うエージェントの場合は、最新の転職市場も把握しており、最適なキャリアプランの提案を受けることが可能です。

弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」も、公認会計士の転職支援実績が豊富なエージェントの一つです。
公認会計士の転職に詳しいアドバイザーが、キャリアプランの提案はもちろん、応募書類の添削や面接対策、条件交渉などトータルでサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

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公認会計士の転職事例

公認会計士の転職事例

ワークライフバランス重視/Dさん(35歳・男性)

監査法人で上場企業やIPO準備企業の監査業務に従事していたDさん。仕事の内容には満足していましたが、長時間勤務が常態化していました。お子さんが生まれたことを機にワークライフバランスを改善することを決意し、残業が少ない事業会社への転職活動を目指し、MS Agentにご登録いただきました。

Dさんは業務経験が豊富だったのでご要望に沿う求人を数多くご提案させていただきましたが、最終的にDさんが転職を決めたのは、平均残業時間が短い老舗の大手メーカーでした。複数回の面談を経て、先方からも高い評価を獲得しました。

上場企業から大手監査法人へ/Nさん(45歳・男性)

監査法人から一般企業へ転職し、キャリアを積み重ねてきたNさん。最終的には上場企業の管理部長にまで上りつめていきました。

しかし、管理部門ではせっかくの会計知識を生かすことができません。また、管理部門を「コストセンター」と捉える会社であったこともあり、公認会計士としての専門性を磨くために転職を決意し、MS Agentの利用を開始しました。

転職活動を始めるにあたり、Nさんはまず「公認会計士としての専門性とは何か」を整理していきました。公認会計士が活躍する場は、監査法人やコンサルティングファーム、ファンド、会計事務所などさまざまな場所にあるからです。
その中からNさんは、「会計監査を軸としながら会計コンサルティングへ展開する」ことを自分のこれからの専門性として、Big4監査法人に無事に転職を決めました。

監査法人からコンサルティングファームへ/Aさん(26歳・男性)

大学在学中に公認会計士試験に合格し、Big4監査法人で上場企業および上場企業子会社の財務諸表監査業務に従事していたAさん。インチャージも経験し、キャリアを順調に重ねていました。

しかし、クライアントと接するうちに「監査にとどまらずさらにクライアントに貢献したい」と考えるようになっていきます。そこで、MS Agentにご登録いただきました。

PEファンドへの転職を当初は考えていたAさんでしたが、公認会計士がクライアントに貢献するやり方はさまざまです。弊社のキャリアアドバイザーと相談する中で「あくまでも会計士としての専門性を生かしながらクライアントに貢献する」ということを決意して、FAS系コンサルティングファームへ応募することとなりました。

コンサルティングは未経験だったAさんですが、先方はAさんの熱意を評価。無事に内定を獲得することができました。

IPOベンチャー企業のCFOへ/Kさん(30歳・男性)

Big4監査法人でIPO支援業務に従事していたKさん。支援に関わるうちに「自分も企業の一員としてIPOに関わりたい」と思うように。
将来は起業も視野に入れていたため、アーリーステージのベンチャー企業のCFOとして経験を積むため転職を決意しました。

Kさんの希望は、アーリーステージであることとともに、自身が興味を持つことができる革新的な技術を持っていることでした。
転職活動を積極的に進めたところ、数社からの内定を獲得します。

内定を獲得した数社の企業は、どれも魅力的でした。そこでKさんは最後には、CEOとの相性で決めることに。このCEOなら将来のビジョンを共有し、ともにIPOを目指すことができると強く思ったベンチャー企業への転職を決めました。

会計士キャリアを相談する

監査法人以外の公認会計士の求人例

ここからは、監査法人以外の公認会計士の求人例をご紹介します。
転職後のイメージの一環として参考にしてみてください。

有名コンサルティングファームにて、FASコンサルタントの募集

仕事内容
・DD業務
・バリュエーション業務
・FA業務
・M&Aにかかる会計/税務相談業務
・カーブアウト分析
・M&A等の資金調達に必要な事業計画策定などの支援業務 など
必要な経験・能力
<必須>
・公認会計士かつ、監査法人において会計監査業務経験3年以上
<歓迎>
・DD業務、FA業務などのFAS業務経験
・IFRSの知識を有する方
・PPAの知識を有する方
・不正調査経験(フォレンジック等)
想定年収
500万円~1,300万円

東証プライム上場/売上1兆超の独立系商社より経理担当者の募集

仕事内容
・連結決算業務、決算に関わる分析業務
・決算単身、会社法書類、金融商品取引法書類の作成業務
・確定申告業務、海外子会社の監査対応
・その他各種プロジェクト案件への対応
・グループ、子会社の単体決算対応
必要な経験・能力
<必須>
・単体もしくは連結決算のご経験を含む経理経験(3年以上目安)
<歓迎>
・会計士、税理士資格(USCPA等関連する資格を含む)お持ちの方
・上場企業での経理経験
・子会社の管理経験
・文書読解やメールやり取り程度の英語力
想定年収
600万円~1,200万円

【公認会計士資格 保有者限定】WLB◎/東証プライム上場企業での予実管理

仕事内容
・月次の予実管理業務、差異分析
・予算及び着地見込作成業務
・管理会計に関するルールやインフラの構築
・取締役会等に報告するレポート資料の作成・取りまとめ
・その他、経営の意思決定をサポートする資料作成
必要な経験・能力
<必須>
下記のすべてを満たすこと
・年次予算の策定、予実管理業務
・公認会計士資格
・大学卒業かつ事業会社での勤務経験3年以上
<歓迎>
・開示業務経験(決算短信、有価証券報告書)
・不動産業界での勤務経験
想定年収
770万円~1,020万円

まとめ

公認会計士のキャリアは多様化しているため、既存の発想にとらわれず視野を広げて転職を考えていきましょう。
転職活動の際は、「転職する目的の整理」「経験の棚卸し」「応募先企業の情報収集」を行うことが重要です。

「MS Agent」では、監査法人はもちろん、上場企業やスタートアップ企業、コンサルティングファームなど、様々な求人を取り扱っています。
非公開求人の中には、「MS Agent」だけが扱う求人もあり、あなたのキャリアプランに合った求人をご紹介することが可能です。

公認会計士の転職に精通した「MS Agent」のサポートを通じて、理想のキャリアの実現をしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

窪塚 勝則

大学卒業後、大手出版系企業を経て現職へ入社。
主に大手・新興上場企業を対象とする法人営業職を4年、キャリアアドバイザーとして10年以上に及ぶ。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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MS-Japanの転職サービスとは

MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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