DX時代に求められる30代の経理スキル|会計システム・RPA活用力(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、経理におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性と、30代経理がITを活用して業務改善を推進する意義について解説しました。
特に、クラウド会計システムやERPの導入・運用経験が、経理としての市場価値を高める要素であることを紹介しました。
後編では、DX推進経験が転職市場でどのように評価されるのか、さらに職務経歴書や面接で効果的にアピールする方法、実際の転職成功事例を交えて詳しく解説します。
転職市場での評価ポイント
ITスキルを持つ経理人材は、転職市場で非常に高いニーズと希少性を持っています。
なぜなら、DXは企業の競争力に直結する喫緊の課題であり、それを推進できる人材はどこでも求められるからです。
特にDX推進の経験は、あなたの市場価値を大きく高め、年収アップや大手企業への転職といったキャリアアップを現実のものにします。
しかし、注意すべき点があります。変化を好まず、依然としてアナログな文化や紙とハンコが残る大手企業や老舗企業も存在します。
そうした企業は、その巨大な組織ゆえに変化に時間とコスト、そして労力がかかり、抜本的なDXは進みにくい傾向があります。
そのような環境に長く留まると、「茹でガエル」のように緩やかな環境変化に対応できず、市場変化の波に乗り遅れてしまうリスクがあります。
あなたの経理経験はかけがえのない財産ですが、そこにITスキルを掛け合わせることで、あなたは変化を恐れない、市場価値の高い人材として評価されます。
特に、DX推進プロジェクトへの参画経験や、会計システムの導入・運用経験は、あなたの市場価値を大幅に高める要因です。
職務経歴書・面接でのアピール方法
「DX推進に携わった経験がない」場合でも、「ITに抵抗がない人材」として高く評価されるためのアピール方法はあります。
職務経歴書:Excelスキルは強力な武器となる
Excelは経理にとって非常に重要なツールです。VLOOKUP関数を問題なく使えるレベルであることは、基本的なITリテラシーとして記載しましょう。
さらに、マクロやVBAを組んで業務効率化を図った経験があれば、必ず記載してください。
業務上の経験でなくても、自己研鑽として取り組んだ経験でも構いません。
これは、自ら業務改善を試みることができる人材であることの証明になります。
面接:業務フロー改善のエピソードを具体的に語る
面接では、「簿記を理解した上でExcelによるデータ加工・調整を行い、他システムとの連携をスムーズにして業務フロー改善に貢献した」といった具体的なエピソードを語ることが効果的です。
この経験は、金融、メーカー、小売、商社など、複雑な経理フローを持つ業界の企業で高く評価されます。
あなたの業務改善への意欲と能力を面接官に伝える重要なポイントです。
DX推進を経験した転職成功事例
DX推進の経験をすることで、キャリアの可能性は大きく広がります。
事例1:ERP導入経験→外資系企業のプロジェクト担当に転職
この事例では、経理経験に加え、プロジェクトマネジメントスキルが最も高く評価されました。
プロジェクトの進捗管理、関係部署との調整、課題解決能力などが、外資系企業が求める自律的な働き方にマッチしたのです。
英語力も必須でしたが、経理×PMスキルが評価を決定づける主な要因となりました。
事例2:RPA推進経験→経理×DX人材として高評価
この事例では、100〜500名規模のコンサルティング業界の求人でRPA経験が有利に働きました。
スピード感が求められるコンサル業界では、業務効率化に積極的な人材は即戦力として重宝されます。
RPAの実績は、経理の専門知識に加え、業務効率化を自ら考え実行できる能力の証明となったのです。
まとめ|ITスキルは経理のキャリアを広げる必須スキル
経理のキャリアを考える上で、簿記や会計知識は当然重要ですが、現代においてはITスキルが不可欠です。
簿記や会計知識を前提としつつも、DX推進経験を組み合わせることで、従来の経理職とは一線を画す「市場価値を高める専門性」を確立できます。
30代からITスキルを身につけ、業務改善に積極的に取り組むことで、経理マネージャーや経理財務統括責任者といった上位ポジションだけでなく、経営企画など他部署へのキャリアパスも拓けます。
DX推進の経験は、あなたの市場価値を向上させ、将来の年収やキャリアの選択肢を大きく広げるための強力な武器です。
ぜひ、日々の業務の中で、ITを活用した業務改善に積極的に取り組んでみてください。
- #経理
- #経理 DX
- #経理 RPA
この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として従事。全国各地で販売業務や新規店舗の教育係を経てMS-Japanへ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして経理・人事・総務を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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