2024年01月24日

公認会計士試験の科目解説!勉強前に知っておくべき科目の特徴と選択科目の選び方

難関資格である公認会計士試験合格への第一歩は、試験の科目とその特性を深く理解することから始まります
本記事では、公認会計士試験の全科目を網羅し、各科目の内容、難易度、そしてそれぞれの特徴について詳しく解説します
また、学習計画立案に役立てていただけるよう、選択科目の選び方のポイントなどもご紹介します。
効率的かつ戦略的に学習を進めるためのコツを身につけていただくことで、公認会計士試験の合格をサポートします。

公認会計士試験の概要

公認会計士・公認会計士試験とは

公認会計士試験は会計や監査の専門知識について問われる国家試験であり、この試験に合格することで会計分野の専門家である公認会計士になることができます。
試験は短答式と論文式の二部構成で、短答式試験に合格することが論文式試験の受験資格となります
短答式試験では、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目が出題され、マークシート方式で実施されます。
論文式試験では、会計学(財務会計論・管理会計論)、監査論、企業法、租税法と選択科目(経営学・経済学・民法・統計学など)について論述式で試験が行われます。

2024年の公認会計士試験スケジュール

2024年の公認会計士試験は以下のスケジュールで実施されます。
第Ⅰ回短答式試験は令和5年12月10日に、第Ⅱ回短答式試験は令和6年5月26日に行われます。
論文式試験は令和6年8月16日から18日にかけて実施されます。
短答式試験の合格発表は、第Ⅰ回が令和6年1月中旬、第Ⅱ回が同年6月下旬に行われ、論文式試験の合格発表は同年11月中旬に予定されています。

公認会計士試験の受験資格

公認会計士試験には特定の受験資格は設けられておらず、年齢、性別、学歴、国籍に関わらず誰でも受験することが可能です。
この開かれた試験制度は、他の多くの国家資格と比較しても、より多くの人々にチャレンジの機会を提供しています。
しかし、試験の範囲が広範にわたるため、十分な学習と準備が必要とされます。
受験者は、各科目の深い理解と広範な知識が求められるため、効率的な学習計画と戦略が合格への鍵となります


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公認会計士試験の全9科目

公認会計士試験は、必須科目と選択科目に分かれています
以下に、それぞれの科目の概要を解説します。

公認会計士試験の必須科目

1. 財務会計論

会計処理は企業の日常経営活動を記録し、決算書類を用いて財政状態や経営成績を報告するための手続きです。
それぞれの手続きは「企業会計原則」などの会計基準に基づいて行われており、これら会計基準の内容及び理論的背景について学びます。

2. 管理会計論

企業経営では計画立案や成果管理に必要な情報の収集・分析・報告が必要です。
管理会計論では原価計算を中心とした会計システムについて学びます。

3. 監査論

公認会計士が行う財務諸表監査に関するルールや背景について学びます。
公認会計士として必要な価値観や知識が習得します。

4. 企業法

企業の組織・運営・活動を規律する法律、特に会社法に関する規定を学習します。
株式会社の設立から消滅までの諸規定、商法、金融商品取引法も含まれます。

5. 租税法

法人税法の計算・基礎理論を中心に、所得税法、消費税法等の基礎的な計算問題と構造的理解について学びます。

公認会計士試験の選択科目

1. 経営学

経営戦略論、モチベーション理論、リーダーシップ論など幅広いテーマが含まれる企業及び企業経営のあり方を学習します。
時事的な問題への関心も重要となってきます。

2. 経済学

ミクロ経済学とマクロ経済学に大別されます。
現実経済をモデル化して分析しながら、企業や消費者の経済行動、国内外の経済全体について学びます。

3. 民法

売買契約など日常の行為を規律する法律について学びます。
条文の解釈や学説の対立点などの理解も深めます。

4. 統計学

データ解析やファイナンス理論に必要な記述統計、確率、推測統計、相関・回帰分析等を学び、データを用いた計算方法や統計的評価方法を習得します。


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選択科目はどう選ぶ?

公認会計士試験の選択科目を選ぶ際には、まず学習時間得点力の2つの観点を考慮するのがおススメです。
まず、学習時間の観点から見ると、経営学と統計学は他の選択科目に比べて学習時間が少なく済むため、これらの科目を選ぶことが効率的といえます。
得点力の観点では、それぞれの得意・不得意に応じた選択が重要です。
高校数学が苦手な受験生や暗記力に自信がある方は経営学を選ぶのはおすすめである一方、高校数学が得意で応用力を重視する方には統計学が適しています。

興味と関心も重要な要素です。
特に高校数学が得意で暗記力も高い方は、自身の興味に基づいて経営学か統計学を選ぶと良いでしょう。
経営学は未知の論点が出題されるリスクがありますが、公認会計士試験は相対評価であるため、未知の論点については他の受験生も同様に対応する必要があります
そのため、知っているところを確実に正解することが科目合格への鍵となります。

なかなか決めきれない場合には、興味のある科目を選ぶといいでしょう。
公認会計士試験は相対評価であるため、自分が興味を持ち、熱心に学べる科目を選ぶことが、長期的な学習のモチベーション維持に繋がり、結果として良いパフォーマンスを引き出すことができるからです。


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公認会計士試験の免除制度

公認会計士試験の免除制度公認会計士試験には免除制度が設けられており、特定の条件を満たす受験生は一部の試験科目が免除されます。

短答式試験の免除

過去に短答式試験に合格した受験生は、合格から2年間、短答式試験を免除されます
これにより、翌年とその次の年の2年間は、直接論文式試験から受験することが可能です。
この免除は自動的に適用されるため、受験生は論文式試験に集中することができます。

論文式試験の免除

論文式試験では、特定の科目で審査会が設定する基準得点を超えると、その科目について次の2年間免除されます
たとえば、監査論で基準点を超えた場合、翌年とその次の年の試験では監査論の試験を受ける必要がなくなります。
これにより、受験生は他の科目に集中して効率的に勉強を進めることが可能です。
この免除制度を利用することで、受験生はより効率的に資格取得を目指すことができます。
ただし、免除制度の適用には論文式試験の合否に関わらず、あらかじめ申請する必要があるなど、諸々の規定が設けられていますので、受験生は自身の状況をよく理解し、適切に申請することが重要です


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「公認会計士試験×科目」のQ&A

公認会計士試験の科目は何から始めたらよいですか?

公認会計士試験の必須科目から始めるのが効率的です。
おススメの順番は以下の通りです。

①財務会計論…計算部分の「簿記」と理論部分の「財務諸表論」を同時に勉強します。
②管理計算論…財務会計論と同じく、計算と理論があり、短答と論文で「会計論」として扱われます。
③企業法…膨大な知識量を要するため早期の学習開始が望ましいです。
④租税法…計算と理論のバランスが重要ですが、学習を進める中で理論が自然と身に付いていきます。
⑤監査論…分量は少ないものの重要性が高く、後回しにしすぎないよう注意が必要です。

公認会計士試験は独学での合格可能ですか?

公認会計士試験の独学合格は可能ですが、そうそう簡単にはいきません
合格率は約10%で、必要な勉強時間は3000~5000時間程度とされています
特に仕事をしながら学習する場合には、限られた時間を効率的に使う必要があります。
試験は広範な出題範囲と応用力が問われます
簿記や法律などの事前知識があれば、勉強範囲が狭まり、独学での合格可能性が高まります。
しっかりと自己管理でき、要点を効率良く把握していくのが得意な受験生は、独学でも成功のチャンスがあります。

公認会計士試験の採点方法を教えてください。

公認会計士試験の合格基準は、短答式試験が総点数の70%、論文式試験が52%の得点比率を目安に設定されています。
短答式試験は、4科目の合計点で合否が判断され、70%の得点を獲得すれば合格となります。
論文式試験では、5科目の合計点で評価され、平均得点比率を基準に相対評価が行われます。
特に論文式試験では、審査会が設定する基準得点を超えると、特定科目が免除されることもあります。
これらの評価基準により、公認会計士としての資質と知識が総合的に評価されます。


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まとめ

公認会計士試験は必須科目・選択科目から成り立っており、広範な出題範囲と応用力がそれぞれ求められる難関国家試験です
試験に合格するには効率を重視した必須科目の学習に加え、得意分野や興味に応じて選択科目を選ぶなど、戦略立てて試験に向かっていく必要があります
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

小島 亜里紗

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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