2024年10月31日

監査法人でついていけない人はどうしたらいい?3つの選択肢と解決事例

監査法人での仕事は専門的で要求されるスキルが高く、慣れるまでには時間がかかるものです。
逆に、ある程度の年数を勤めた上で、個々の理由から「ついていけない」と感じることもあるでしょう。
そのような状況から抜け出すためにはどうすればいいのでしょうか。

この記事では、監査法人でついていけない人のために、実際の事例を交えながら、解決に導く選択肢をクローズアップしました。

様々な理由で監査法人についていけなくなる

監査法人で働くことに「ついていけない」と感じる理由は、人によってさまざまですが、主に以下のような理由が挙げられます。

まずは、長時間労働とワークライフバランスの悪化です。
監査業務は繁忙期になると、非常に長時間の労働を必要とされることがあります。
繁忙期には毎日遅くまで働かなければならず、休日出勤も珍しくありません。
連続して長時間働くことで、ワークライフバランスが保てなくなる事態に陥ります。
体力やメンタル面にも大きな負担がかかり、ストレスと疲労感によって「もう、ついていけない」と感じる人も少なくないでしょう。

業務の単調さによる興味喪失も一因になります。
監査は同じような作業を繰り返し行うことが多く、日々の業務を単調と感じてしまう人もいるようです。
単調さから抜け出せないままだと仕事自体への興味を喪失し、やりがいや成長を自覚することが難しくなります
単なるタスク執行者としての役割にこれ以上耐えられないという意識は、監査法人で働くことを見直す大きな一因です。

クライアントの対応も身にこたえます。
監査法人のスタッフは、クライアントに対して常にプロフェッショナルでなければなりません。
しかし、相手の要望と監査基準との間に葛藤が生じることもあります。
意見の相違やトラブルが発生した場合、その対応に追われることでストレスを抱えてしまいがちです。
クライアントとの良好な関係がこじれると、プロジェクトを円滑に進めることが困難になり、さらに精神的に追い込まれてしまうでしょう。

成果が見えにくいとモチベーションが下がります。
監査は、企業の信頼性を向上させるための重要なプロセスですが、成果が直接的に見えないこともしばしばです。
財務報告書に結果が示されるものの、一連の監査作業の背後にかかる努力や成果が理解されないことは、モチベーションの低下につながります。
これにより、監査法人でついていけないと感じることがあるかもしれません。

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監査法人についていけない時の3つの選択肢

では、今勤務している監査法人で「ついていけない」と感じた時はどうすればいいのでしょうか。
解決方法としては、以下3つの選択肢があります。

新人の間は仕方がない

監査法人での新人期間は誰でも適応に苦労するものです。
新しい環境や業務に慣れるには時間がかかるため、最初の数ヶ月は戸惑うことがあっても自然なことです。
とは言え、ついていけない状況を少しでも改善したいという気持ちもわかります。
解決につなげるためには、周囲の先輩社員や上司と積極的にコミュニケーションを図り、質問や悩みを共有してみましょう
親身に相談に乗ってもらえるだけで気持ちがほぐれることもありますし、場合によっては改善に導くアドバイスが得られるかもしれません。
また、自己学習やトレーニングプログラムに参加して、知識とスキルを高めることも効果的です。
時間と努力をかけて克服すれば、徐々に業務に慣れていくでしょう。

理由によっては「他の監査法人」に転職して解決することも

ついていけないという悩みが長期的なものであり、監査法人の文化や働き方、業務内容との不一致が明確であれば、他の監査法人への転職も検討すべきです。
転職先での環境や文化が自分に合っていれば、やる気と能力が発揮され、悩みの解決にも期待できます。
転職を検討する際には、今の職場での課題と理想的な環境を整理し、他の監査法人の求人や口コミを調査しましょう。
転職してみたけれど「前職と同じような悩みを抱えてしまった」ということにならないように、面接や会社訪問を通じて、自分に合った職場を見つけることが大切です。

監査法人自体についていけないのなら「事業会社」への転職も

監査法人そのものの業務や文化が自分のキャリアと志向性に合わない場合、監査法人から事業会社への転職も選択肢となります。
会計知識や監査の経験は、事業会社でも重要なスキルとして活かされます
事業会社では自社のビジネスに関わる機会が多くなるため、新たな視点で仕事へのやりがいを見出すことができるかもしれません。
また、ワークライフバランスの改善や福利厚生の充実に期待できることも、事業会社の魅力的な点です。

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他の監査法人に転職した事例

他の監査法人に転職した事例ここでは、他の監査法人への転職によって、前職での悩みを解決した事例をご紹介します。

自分の時間が欲しい!プライベートを充実させた30代・女性公認会計士の成功事例

Bさん

Bさん(30歳・女性)資格:公認会計士

Big4監査法人
年収:800万円

矢印 矢印

中堅監査法人
年収:700万円

Bさんは大手監査法人で公認会計士として働いていましたが、長時間の残業やハードな働き方に限界を感じ、プライベートを充実させるために転職を決意。経験を活かせる環境で働きながら、自分の時間を確保したいとの思いを明確にし、中堅監査法人の内定を獲得されます。面接で自らのスキルと貢献できる点を具体的にアピールし、効率的な働き方を伝えたことで、即戦力として長期的な活躍に期待できると評価され、入社を決定しました。スキルアップを意識し続けたことによって、プライベートの充実と自分のペースでの働き方を実現できた好事例と言えるでしょう。

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中堅監査法人からBig4監査法人へ。監査スキルの更なる向上を目指して

Yさん

Yさん(31歳・男性)資格:公認会計士

中堅監査法人
年収:750万円

矢印 矢印

Big4監査法人
年収:800万円

Yさんは中堅監査法人での経験から、より大規模な企業の会計監査を行いたいという願望を抱えていました。「もっと完成形に近いクライアントの監査を行ってみたい」という思いのもとに、Big4監査法人への転職を決意します。特に興味を惹かれたのは、大手総合商社やグローバルメーカーなどを多く顧客に抱える監査法人でした。面接では中堅監査法人出身で担当科目も広く、インチャージ経験もあったことから高く評価され、転職を成功させました。希望通りYさんはより質の高い監査業務に従事することができたのです。Big4監査法人は、中堅監査法人出身の公認会計士を積極的に採用しており、「一連の監査手続きを心得ている」という評価も得やすいため、転職市場は有利な状況です。

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事業会社に転職した事例

続いて、事業会社への転職によって、前職での悩みを解決した事例です。

ハードワークな日々を変えたい!上場企業へ転職を果たした30代・公認会計士

Oさん

Oさん(30歳・男性)資格:公認会計士

Big4監査法人
年収:1,200万円

矢印 矢印

上場企業
年収:850万円

Oさんは、前職での悩みである繁忙期のハードワークと長時間労働を解決するため、年収を落としてでもワークライフバランスが保てる転職を決意しました。転職活動では、幅広い職種に応募しながらも、会計士資格と今までの経験を活かしたいという思いが募り、キャリアアドバイザーと相談しながら内部監査業務の求人に的を絞りました。面接時に説得力をもって自身の経験をアピールした結果、複数社から内定を獲得されました。最終的には、想定範囲内の年収ダウンで、ワークライフバランスを確保した転職に成功しました。ワークライフバランス以外の条件も含めて優先順位をつけ、志望度の高い企業のみに集中したことで、スムーズに転職先を決めることができたのです。

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IFRSに携わるために上場企業に転職した会計士の成功事例

Cさん

Cさん(39歳・男性)資格:公認会計士

Big4監査法人
年収:1,100万円

矢印 矢印

上場企業
年収:800万円

Cさんは、Big4監査法人でIFRS導入業務に携わり、やりがいを感じていましたが、部署の移動によりIFRS業務を行えなくなり、転職を決意しました。就業環境や給与よりも、興味度合の高いIFRS業務に従事できる環境が第一優先でした。当初はコンサルや中堅監査法人に応募していましたが、IFRS導入予定の上場企業に応募し、面接を通じてその他の業務にも興味を持ちました。結果、その企業が第一志望となり、先方もCさんの実務経験や熱意を高く評価され、内定獲得となりました。転職成功のポイントは、優先する軸をぶれさせずに業務への視野を広げたことです。自身が求めるIFRS業務を重視し、事業会社でもやりたい業務を見出せたことは、今後のキャリアに向けて大きな収穫です。

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公認会計士の求人事例

ここではMS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」の公認会計士を対象とした求人を一部ご紹介します。

経理(海外取引含めた会計業務統括)◆リモートワーク制度有/充実した福利厚生/ワークライフバランス◎

仕事内容
・単体決算(税効果会計、ヘッジ会計等の専門知識を必要とする会計基準対応含む)
・同社が間接保有する海外子会社に係る連結決算
・社内会計相談
・決裁書の合議対応(会計観点での決裁に係る契約書含む内容の妥当性確認)
・会計観点からの新ビジネススキームへの参画
・海外子会社の経理業務に関する助言・指導
必要な経験・能力
【必須要件】
・監査法人・会計事務所・税理士法人における会計業務のご経験者
・企業会計原則、会計基準・会社法・税法に関する知識をお持ちの方

【歓迎要件】
・英語力ビジネスレベル(TOEIC700点以上※初心者も相談可能)
・公認会計士
想定年収
580万円 ~ 1230万円

【IPO準備中】CFO候補<フレックス可/リモート可>

仕事内容
・月次・年次決算
・会計、決算業務(売上請求、請求書支払、立替精算等)
・管理会計、原価計算業務
・現預金、債権債務管理業務
・固定資産管理業務
・税務業務
・監査法人対応など

◆財務会計の企画と経営管理
・財務会計・管理会計全般の統括
・財務戦略の策定及び実行
・内部統制・経営管理基盤の構築および改善
・IPOに向けて証券会社・監査法人とのコミュニケーションのリード
・アカウンティング&ファイナンス部門全体のマネジメント
必要な経験・能力
【必須】
下記いずれか
・上場準備企業や上場企業での経理財務責任者、管理部長、CFOなどいづれかのご経験
・監査法人やコンサルティングファーム等でのIPO支援経験者

【歓迎】
・英語力
想定年収
1000万円 ~ 1500万円

【日本橋】公認会計士/IPO支援/資格取得支援/リモート/フレックス

仕事内容
・クライアント対応業務
・法人管理業務
・IPO支援業務
・J-SOX支援業務
・会計コンサルティング業務
・上場子会社管理(会計・税務のパッケージ対応)
・株価評価・バリュエーション業務
・ストックオプション業務
・監査業務

必要な経験・能力
・公認会計士、公認会計士試験合格者
想定年収
550万円 ~ 1200万円

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まとめ

監査法人についていけない理由は人によって異なりますが、どのような悩みでも心身に限界が近づいている場合は切実な問題です。
すでに一定のキャリアがある人は、今いる場所だけがすべてではありません。
これまでに積み上げたスキルと経験を、ほかの場所で活かすことも賢明な手段です。

現状で無理はせずに、自身の希望に合ったフィールドや、改善が見込める環境に向かって新たな一歩を踏み出しましょう。
そのための選択肢と解決事例がお役に立てれば幸いです。

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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