経理から経営企画に転職するには?30代・40代が分析力を武器にするキャリア戦略(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、経理職から経営企画職へのキャリア転換をテーマに、両職種の違いや、企業規模によって異なる役割・求められるスキル、そして未経験者が転職でつまずきやすいポイントを解説しました。
特に、経理経験者が経営企画職で評価されるためには、「数字を扱う力」だけでなく、「経営の意図を理解し、部門を動かす実行力」が重要であることを紹介しました。
引き続き後編では、経理経験者が経営企画職で評価される具体的なスキル領域や、職務経歴書・面接での効果的なアピール方法、そして転職成功のための実践的なポイントを詳しく解説します。
転職市場で評価されるスキル:高価値な専門領域
経理経験者が経営企画のポジションで評価されるのは、「分析力」と「事業課題抽出・解決能力」ですが、特に市場価値が高いのは、財務会計と管理会計の両輪を回し、経営層に提言してきたようなご経験です。
| 希少性の高い領域 | 経理経験が活きる具体的なスキル | 評価される理由(希少性) |
|---|---|---|
| 資金制約下の 事業評価 |
・撤退・縮小時の特別損失処理 ・償却・固定資産の減損を含む経済合理性判断 |
・戦略とPL/BS/CF(財務三表)を接続できる人材は極めて希少 ・机上の空論に終わらない実行性の高い戦略立案が可能 |
| 予算策定・管理 | ・部門別の原価構造を踏まえたリアルな予算設計 ・実績差異分析における減価償却費の乖離要因の深堀 |
・財務会計と管理会計の両面を理解しており、経営数字に対する説得力を格段に高められる |
| M&A・PMI (統合後) |
・買収先の財務デューデリ(会計処理確認) ・PPA(のれん計上)の理解 ・IFRS基準での会計調整 |
・M&A経験者の中でも「財務・会計に強い」PMI人材は特に希少 ・ファンドや事業会社問わず重宝される |
特に事業撤退や再編に関わった経験は、厳しい環境下の中で忍耐強く事業や会社・組織と向き合ってきたこと、さらにそれら環境下で難しい判断・実行を成してきた方という点で、高い評価を受ける傾向になります。
アピール方法:「視点の転換」と「企画翻訳」テクニック
経理から経営企画への転職を成功させるためのアピール方法は、「過去の経理経験を、未来の戦略実行にどう活かせるか」という視点で一貫性を持たせることです。
職務経歴書での「企画翻訳」テクニック
職務経歴書では、経理業務を経営企画の視点に「翻訳」して記載します。
単なる業務内容の羅列ではなく、「その業務を通じて何が改善し、企業にどう貢献したか」という成果ベースで記述しましょう。
コンサルタントとして必ず修正・強調するのは、以下の点です。
| 経理用語(業務内容) | 経営企画への「翻訳」(成果と貢献) |
|---|---|
| 月次決算 | 経営管理資料の迅速な作成と、翌月の打ち手のための早期分析提供 |
| 固定資産台帳管理 | 投資効率(ROI)評価に基づいた、設備投資計画へのフィードバック |
面接で評価される「視点の転換」
経理経験者が陥りがちなのは、数字の正確さや帳簿管理に長けている一方で、数字の「意味」や「背景」を語れない状態です。
これを避けるため、面接では「視点の転換」を効果的に示しましょう。
最も説得力があるのは、「原価計算を単なるコスト把握ではなく、戦略的なプライシングの根拠として捉えていた経験」といった、経理の知識を攻めに転換させた具体的なエピソードです。
また、「あなたの考える当社の3年後の課題と解決策」といった質問には、「経営視点」で答えることが必須です。
・失敗しがちな回答: 抽象的すぎる課題指摘や、経理部門視点に留まるコスト削減案。
・プロの目線で評価される回答: 経営視点で課題を指摘し、経理の専門性を活かした具体的な解決策で結びつけること。「〇〇指標から貴社の課題を推測し、培った〇〇分析の知見から〇〇を改善すべきと提言します」といった具体性が説得力を生みます。
まとめ|経営企画は経理キャリアを「経営のコア」へ昇華させる
経理から経営企画への転職は、あなたのキャリアを「経営のコア」に近づけるうえでも非常に有効な選択肢となります。
日々の経理業務で磨き上げた「数字への正確な理解力」は、経営戦略を支える「知恵」の源泉であり、30代・40代で培った部門長との「交渉経験」や「予算管理を通じた事業理解」は、その戦略を実行に移す「実行力」につながります。
MS-Japanは、経理・士業の転職に特化することで、経営企画職へのキャリアパスを誰よりも深く理解しています。
あなたの経験と可能性を最大限に引き出す転職を、私たち専門コンサルタントが徹底的に支援します。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、大手学校法人にて教務・就職支援に携わり、教育とキャリア支援の両面を経験。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、人事・総務・経理財務を中心とした転職支援に携わっています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 社会保険労務士事務所 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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