2025年09月24日

【経理キャリアマップ】上場準備企業・スタートアップの経理責任者になるには?

経理としてキャリアを積む中で目指せる選択肢の一つとして、上場準備企業やスタートアップで活躍する「経理責任者」という役割があります。
経理責任者は、監査法人対応・開示体制の構築・資金調達など経営に直結する業務を担い、特に急成長やIPOを目指す環境ではスピード感と柔軟性を持って経営陣とともに組織をリードする重要なポジションです。

本記事では、経理職のキャリアの中で上場準備企業・スタートアップの経理責任者を目指す方に向けて、その役割必要なスキルキャリアステップについて解説します。

上場準備企業・スタートアップにおける経理責任者の役割

経理責任者は、決算や会計処理を統括し、組織の数字を正しく管理する役割を担います。

それに対して、上場準備企業やスタートアップの経理責任者は、監査法人対応や開示体制の構築、内部統制、資金調達といった経営の根幹に関わる業務を幅広く担い、限られたリソースの中で組織を整えながらCFOや経営陣とともにIPOの実現に導く役割を果たします。

経営に与える影響力は極めて大きく、経理キャリアの中でも挑戦的でやりがいのあるポジションといえるでしょう。

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上場準備企業・スタートアップの経理責任者へのキャリアパス

経理責任者になるまでの道のりは一様ではなく、これまでの経験やキャリアの積み方によって複数のルートがあります。
ここではその中で3つのルートを紹介します。

上場準備企業・スタートアップの経理担当→経理責任者

上場準備企業・スタートアップの経理担当→経理責任者

まずは、スタートアップや上場準備企業の経理担当としてキャリアを積み、そのまま経理責任者へとステップアップするケースです。

こうした企業では、経理専任者が少人数であることが多く、仕訳や請求書処理から月次・年次決算、資金繰り、税理士対応まで幅広い実務を一貫して担当します。

業務フロー整備や会計システム導入を自ら主導した経験は転職市場でも高く評価され、将来の経理責任者候補として採用されるきっかけにもなります。
さらに、予実管理や資金管理、経営資料の作成といった経営寄りの業務を早期から経験できる点も特徴です。

スピード感や柔軟性を発揮しながら未整備な環境を整えてきた実績は、経理責任者に必要な力として大きな強みになります。

上場企業の経理責任者→上場準備企業・スタートアップの経理責任者

すでに上場企業で経理責任者として経験を積んだ人材が、スタートアップや上場準備企業に転じて経理責任者を務めるケースです。

上場企業で培った「正確性」や「制度対応力」は上場準備中の企業にとって極めて価値が高く、監査法人対応や開示資料作成などで即戦力となります。

一方で、スタートアップはルールや仕組みが未整備なことが多く、自ら手を動かして業務を改善・設計する実行力が欠かせません。
加えて、経営陣との距離が近い環境では、財務戦略や資金繰り、予実管理など経営企画寄りの役割も担うことになります。

大企業での経験を活かしつつ、スピード感と柔軟性を持って対応できる人材が求められます。

監査法人の公認会計士→上場準備企業・スタートアップの経理責任者

監査法人の公認会計士→上場準備企業・スタートアップの経理責任者

経理担当以外からのキャリアとしては、監査法人で経験を積んだ公認会計士がスタートアップや上場準備企業の経理責任者へと転身するケースもあります。

監査で培った会計基準・開示・内部統制への知見は大きな強みですが、経理責任者としては「自ら実務を動かす力」と「スピード感」が不可欠です。

まずは事業会社に入り、月次・年次決算、予実管理、資金繰りなどを経験することで実務力を磨くことが推奨されます。
その上で、監査法人での知見を活かしながら、業務フローや管理体制を構築する力を発揮できれば、企業から高く評価されます。
資本政策や資金調達、上場準備といった場面で経営陣と密に関わることも多く、信頼を得ることが経理責任者への近道となります。

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上場準備企業・スタートアップの経理責任者に必要な経験・スキル

上場準備企業やスタートアップで経理責任者を務めるためには、日々の経理実務に加えて「経営を支える視点」「組織をつくる力」が不可欠です。

経営視点

単なる数値処理にとどまらず、「なぜこの数字になったのか」「どこにリスクや成長機会があるのか」を読み解く力が求められます。
スタートアップでは経営層との距離が近いため、事業KPIや資金繰りを理解し、数字を経営判断に結びつける視点が重要になります。

財務・戦略知識

上場準備やファイナンス支援には、資本政策、資金調達、バリュエーション、IR対応といった財務・戦略分野の知識が必要です。
経理の枠を超えて財務面まで理解を深めることで、CFOや管理部門責任者と同じ目線で議論できるようになり、キャリアの幅も大きく広がります。

マネジメント力

スタートアップや上場準備企業では、少数精鋭で管理部門を運営することが多いため、チームを育て、制度や業務フローを整える力が求められます。
特に成長フェーズでは仕組みが未整備なことが多く、業務設計、人材育成、部門間の調整を主体的に担うマネジメント力が必要です。

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キャリア形成のアドバイス

上場準備企業やスタートアップで経理責任者を目指すには、実務力に加えて経営を支える視点や財務スキルを計画的に身につけることが重要です。
以下3点を意識してキャリアを積み上げていくと良いでしょう。

事業会社での経理・財務経験を広く積む

まずは決算・税務・監査対応といった基礎的なスキルを事業会社で確実に習得することが出発点です。
その上で、管理会計や資金繰り、投資判断など経営に近い業務に積極的に関わることで、経理責任者としての視野とスキルの幅が広がります。

上場準備企業での経験を活かす

上場準備企業に参画すると、短期間で幅広い実務を経験できるのが大きな魅力です。
開示体制の構築監査法人対応内部統制の整備といった業務は、他社でも再現性が高く評価されるスキルとなり、経理としての市場価値を大きく高めます。

ファイナンススキルを強化する

会計の専門性に加えて、資金調達資本政策といった財務領域の理解が欠かせません。
財務三表の相互関係、資金繰り予測、バリュエーションなどの基礎知識を磨くことで、経営全体を俯瞰し、数字を根拠にした提案や判断ができるようになります。

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まとめ

上場準備企業やスタートアップでの経理責任者は、経営と現場の両方に深く関与し、組織の成長を直接支えるポジションです。
高い専門性と柔軟な対応力が求められる一方で、スピード感のある成長環境の中で圧倒的な経験値とキャリアアップの機会を得ることができます。

将来的にCFOまで目指したい方、自らの力で企業を成長させたい方にとって、まさに挑戦すべきフィールドです。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

町田 梓

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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